第四話 勝と十六夜
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あれば、最低でも不可視の敵を索敵する能力、敵に見つからない為の何らかの能力もしくはそれ相応の早業、最後に敵を一撃で倒せるほどの強大な一撃、その三つが必要になる。
しかし生憎、今のノーネーム≠ノその様な人材は一人としていない。強大な一撃と早業は十六夜が受け持つことが出来るだろうが、肝心の索敵をすることは不可能。
逆に耀は、絶対に一撃で敵を倒せるほどの力は無いものの、索敵に関しては群を抜いている。だが、ここにも肝心の敵に見つからない為の策が不足している。
飛鳥は――ギフトの性質上、そのどれにも該当をしない。行動を強制出来たとしても、流石に大群全てを言う通りには出来ないだろう。何より、行動を強制したとしても敵の目に映ってしまえばそれで終わりなのだから、分が悪いにもほどがある。
勝はといえば、持ち前の行動の素早さと奇襲、暗殺を得意とするスタイルで姿を見られることは無いだろうが、肝心のギフトを奪うという作業が恐らくすることが出来ない。更に言えば、投擲出来るナイフをほんの数本しか持っていない今の状況では、何をするにも不十分なのは確かである。
結果的に、誰もが全部の項目をクリアできる者がいない。しかもこれは、内部に死角になるところが何箇所もあった場合の対策手段である。流石にそのような希望的観測で挑むのは、無謀というものだ。
そうなれば、残された手は囮作戦しかない。だからこその、ゲーム攻略の役割分担である。
役割分担は結果的に、飛鳥が囮役に、耀が不可視のギフトを持つ者からそれを奪う索敵役に、十六夜がジンと共にルイオスの元へ行く攻略役に、そして最後に勝は十六夜とジンが見つからない為のバックアップをする裏方役に決定した。
「さて、話も纏まりましたし、ゲームを開始しましょう。門を開けた所に相手が居ないとも限らない・・・・・・むしろ大勢いると思うので、十六夜さんお願いします」
「おう。任せろ」
「・・・・・・・・・・・・十六夜さん、参考までに一体どういった方法で、この門を開けるのですか?」
嫌な予感が拭えず、冷ややかな視線を十六夜に送る黒ウサギ。
十六夜はそれに応えるかのようにヤハハと笑って門の前に立ち――
「そんなもん――こうやって開けるに決まってんだろッ!」
轟音と共に、白亜の宮殿の門を蹴り破るのだった。
「はぁ。これってバックアップの必要ないでしょ・・・・・・」
正直、自分が必要無いとさえ思てくる勝は、なんと通路の天井に重力に逆らって張り付き、さながらトカゲの如き移動方法で、十六夜とジンの後を追っていた。
自分が必要ないとさえ思てくる理由は、敵が来たら耀がそれを誰よりも早く察知し、すぐにそれを倒す。不可視のギフトも
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