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気合と根性で生きる者
第四話 勝と十六夜
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無理です」

「ハッ。白夜叉から聞いたぞ。素手で五桁並みの魔王を倒したんだって? しかも、隷属させたってな」

「え、そんなことがあったんですか!?」

 ジンが驚きの声を上げるが、誰もがそれを無視して話を続ける。

「残念ですが、隷属させてはいるものの、此処にはいません。それに隷属させたといっても、首輪も何もなしに自由にさせていますから」

 隷属の話は本当だった。事実、以前にガルド似の虎を捕まえたときだって、隷属させたガルムの力があってこそだったのだから。

「違う。俺が言いたいのは、素手でも十分戦えるだろ、ってことだ」

「・・・・・・」

 ここで初めて、勝が黙り込む。

 確かに、十六夜の言っている事は本人の認識が合っていれば全てが正しい。正しいが故に、黙り込む事しか出来ない。

 しかし本来、勝は集団戦というのを極端に苦手としている。平原で敵と一対一で戦うよりも、集団戦の方が難しいくらいに、苦手としている。

 今回待機を宣言したのは自分に打つ手が無いからだ。とにかく今回のギフトゲームは勝にとってまさに天敵ともいえるもの。

 そして、勝は既に自分に備わったある一つのギフトの正体を・・・・・・発動条件と最大限に力を発揮する方法を理解していた。

 それだけに、今回の集団戦というのは極端に不利になると分かった。誰か一人、自分が興味の惹かれる様な桁外れに強い者が居れば話は別なのだが、生憎今ここに、そのような人物は誰一人としていない。

 能力の正体を今ここでばらしてしまうのもありなのだが――仲間といえど、自分の本拠はまた別のコミュニティである。

 最悪の場合、ここの全員と敵対する恐れがあるだけに、自分の能力を教えるのは出来るだけ避けたいと思ってしまう。

「・・・・・・分かりました。ただし、僕は表に出ずに裏で戦いますので、そのつもりで」

「あぁ、それで十分だ。俺が見つかった時は、よろしく頼むぜ」

 話が纏まったところで、次はゲーム攻略の役割分担だった。

 このゲームでは、姿を確認されずにルイオスの元まで辿り着かなくてはならない。

 しかし、全員がその条件を満たすのはまず不可能だ。何故なら、敵は何十、何百という人数でこちらを見張っているのだから。その包囲網を、全員が一度も見つからずにルイオスの下に辿り着くなど、不可視のギフトでもない限り本当に不可能だろう。

 しかし、不可視のギフトを手に入れようと思えば、敵が装備しているものを――つまり不可視の敵から奪わなければならない。

 不可視の敵を相手に先手をとるなど――ハッキリ言って不可能に近い。大勢に見つかる事無く不可視の人間に不意打ちして一撃で倒し、その相手から不可視のギフトを奪う。

 これをするので
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