彼の指はとても細かった
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しかし、反応はなかった
その人の手が少し震えていたので
私は手を握ろうとしたが
見も知らずの男の人の手を見ず知らずの女が
握っていいものなのかと戸惑った
しかしずっとこの状況を眺めるわけにも
いかないので優しくそっと「大丈夫?」
と震える手に私の手を重ねてみた
するとその人はビクッと体をこわばせ
頭に覆いかぶせていた両手の
隙間から覗くようにしてこちらを見てきた
「えっ」
と私と彼は同時に発した
そして彼は
彼の隣にあったのだろう青いリュックサックを
素早くとりバッと立ち上がり
私に有無をいわさず
「悪い」
と一言言い残し私が来た道に向かった走り出した
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