第伍話 Russia and EURO
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翌日未明、NERV司令室
「葛城作戦部長、EUROは取りあえず放っておく事にしてくれ…」
疲れた表情でゲンドウは呟いた。いつもは傍らにいる冬月は、既に自分の家に帰ってしまっている。普段見ない一人きりのゲンドウの姿は、不思議と弱く見えた。
「よろしいのですか?」
「ああ。当面、戦力は初号機と零号機で回す。足りなくなれば、アメリカにて建造中の3号機、4号機を接収すればいい」
「…了解しました」
ミサトは一瞬懐疑的な表情を浮かべるも、それをすぐに消して敬礼をした。退室した後、ミサトはある人物に連絡を取った。
アメリカ、ニューヨーク 日本大使館
「いきなり電話とは珍しいな、葛城。もしや、よりを戻してくれるのか?」
(んな訳ないわよ!! EUROで政変があったから心配してかけたけど、その調子じゃ全くの無駄だったみたいね)
加持の口調には全く異常はなかった。心配して電話をかけたミサトも、逆にその変りようのなさにイラっとくる。
「俺は大丈夫だ。EURO支部の支部長の取り計らいで、戦闘機で脱出して今はNYだ。ところでどうだ、そっちは。大わらわしてるんじゃないか?」
(そうよ。徹夜で会議。おかげで肌がガサガサ…)
「あんまり無理すんじゃねぇぞ」
(分かってるわよ…。ところで、EUROの状況はどう? アスカは大丈夫?)
加持は一瞬、答えを詰まらせた。
「EUROの軍隊は…大統領とその親衛隊をロシア国内まで押しやった。しかし…ウラル山脈付近でロシア軍と睨み合いになってるそうだ…。アスカは心配いらないさ。2号機を動かせるのは彼女だけ、もしロシアに接収されるような事があっても、彼女に危害を加えたりしないさ」
(…そう。じゃあ、もう切るわね)
「ああ。俺もじきに本部に向かうさ…」
電話が切れる。そして彼は頭を抱えた。
「アスカ…無事でいてくれよ…」
彼女が幼きころから目をかけ、ほとんど自分の娘の様な存在の彼女の無事だけを、加持は祈っていた。
ジオフロント、NERV職員用宿舎
「EUROで…政変…?」
ネットでその事実を知ったシンジは、己の目を疑った。
「EURO軍が政権を倒し…大統領はロシアに亡命…? ウラル山脈で、ロシアEURO両軍が睨み合い…。アスカッ…」
シンジはすぐにMAGIへとアクセスした。その情報は、NERV職員であればだれもが閲覧できる、最も低い規制のかかった情報だった。かなりの量のあったその文章を、シンジはむさぼるように読み漁った。
「なんだ…これ…。2号機とNERV EURO支部が接収された…?」
アスカが戦闘に巻き込まれてる。それを
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