裏通りの鍛冶師
とあるβテスター、洞窟を行く
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しているだけで、実を言うとかなりキていたりする。
更に都合の悪いことに、鉱石を持っているというモンスターは、この広間に固定湧きすることが決まっているという。
要するに、僕たちが目当ての鉱石を入手するには、このゾンビたちの中から一体だけを捜し出して倒さなければならないということだ。
なんというか、言葉にしただけでも気が滅入ってくるよ……。
「……、それで、鉱石を持っているのはどの敵なの?この中にいるんでしょ?」
「知らん」
「へ?」
即答するリリアに、思わず間の抜けた声で聞き返してしまった。
僕としては件のモンスターだけを狙って撃破次第、転移結晶で脱出───という手順でいこうかと思っていたんだけど……。
「……ねぇ、君はアルゴからモンスターの情報を買ったんだよね?」
「いや、話の途中で怒らせちまったから最後まで聞いてねえ」
このセクハラ魔!
そんな大事な話の最中に……いや、話の最中じゃなくても触るなよ!そんなに黒鉄宮に行きたいのか!
「仕方ねぇだろ、目の前に胸があったんだからよ。触ってくださいって言ってるようなもんだろ?」
この人、ひょっとしてリアルオレンジネームな方なんだろうか。痴漢とかそのあたりの罪状で。
収容所からSAOにログインしてるとかじゃないよね?
「ったく。あの情報屋といいオマエといい、ちょっと胸触ったぐらいで目くじら立てやがって。大騒ぎするほどのモンも持ってねえ癖によー。あ、オマエは男だからなくて当たり前か」
「………」
思わず顔面に投剣スキルをお見舞いして差し上げたい衝動に駆られたけれど、ダンジョンでふざけるのは命取りになるので後回しにしておこう。
というか、ヘタレの癖に変なところだけ堂々としているのが腹立たしい。セクハラおやじめ。
「っつっても、ここに湧くって情報は確かみたいだぜ。片っ端からぶっ潰してやりゃあ、そのうち落とすんじゃねえの?」
「……、はぁぁ……。気が遠くなるね……」
「だから帰りてえって言ったのによ。ま、仕方ねえから付き合ってやるさ。数が多いっつっても所詮雑魚だろ、こいつら。楽勝楽勝」
「……じゃ、リリア先頭でいってみようか」
「は!?なんで!?」
意味がわからない、といった顔でこちらを見てくるリリア。
この人はもう少し、自分の発言に責任を持つということを覚えたほうがいいかもしれない。
「楽勝なんでしょ?先陣は任せるよ。僕とシェイリは援護ね」
「え、いや、ここはそっちのクソガキから───」
「りっちゃんがんばってー!」
「………」
とりあえず、ここは彼に頑張ってもらうことにしよう。
何だか恨みがましい視線を感じるけれど、自業自得な人に拒否権はないということで。
「まずは戦いながら様子を見て、それらしいモンスターがいたら優先的に倒
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