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とあるβテスター、奮闘する
裏通りの鍛冶師
とあるβテスター、洞窟を行く
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、クソッタレが……っ!」
どうでもいいけど、あまり汚い言葉を使うのはシェイリの教育によろしくないからやめてほしい。
それと、そんなに荒い息でその台詞を言っても説得力ないからね?


────────────


その後も、シェイリがゾンビをちぎっては投げちぎっては投げといった具合に乱獲していき、リリアもトラップ解除やスイッチ要員として善戦。
一人だけこれといった働きをしていないことを申し訳なく思いつつも、僕たち三人は危なげなく洞窟内を進んでいった。

そうして進むこと、およそ二時間ほど───

「……、帰りてぇ」
「却下」
「オマエは鬼か……」
「自分で言い出したことでしょ?ちゃんと責任持ってよね」
言いだしっぺの癖に真っ先に根を上げたリリアを、僕は容赦なく一蹴した。
僕だって、何も好き好んでこんなグロテスクな敵ばかりのダンジョンに来たかったわけじゃない。
そもそも必要最低限の素材は事前に用意していたわけで、どうしてもここに来なければいけなかったということもない。
どこかの誰かさんが『そんな素材じゃ俺様の腕前を発揮できやしねえぜ』とか言い出さなければ、ね?

「りっちゃんがんばって。もう少しだよー?」
「そうそう。ここまできたら最後まで頑張ろうよ」
「うぐ……、わかったっつーの……!あとりっちゃんって呼ぶんじゃねえ」
シェイリが平気な顔をしている手前、自分だけギブアップするのは流石に情けないと思ったのか、リリアは渋々ながらも頷いた。
今ギブアップすれば、僕たちは無駄な精神的ダメージを貰うためだけにここに来たことになってしまう。
どうせなら、最後まで行ってやろうじゃないか。

……と、言うだけなら簡単だけど。
実のところ、僕もリリアの気持ちがわからないわけでもない。

「……なあ、やっぱりやめにしねえか?」
「もー!りっちゃん、こわがっちゃだめー!」
「そうは言うけどよ……これ、無理ゲーだろ……」
力なく視線を前へと向けるリリアに続いて、僕もそちらを見れば。

「アゥ……ガァ……」
「ゲゲ…ギギ……」
「ゲヒャヒャヒャヒャ………」
「アア……グゲ……」

洞窟の最奥、今までの通路とは打って変わった、ちょっとした広間のような開けた空間に。
今までの湧きが生易しく思えてしまう数のゾンビさんたちが、所狭しと犇めき合っていた。
僕たち全員のレベルは安全マージンを十分に取っているとはいえ、これだけの数を倒しきるのは難しいだろう。

薄暗い広間で、呻き声を上げながら蠢く無数のゾンビたち。
ただでさえ生理的に受け付けられない姿をしている上に、中には共食いのようなことをしているものまでいる。
ホラーが苦手な人であれば、見ただけで卒倒してしまいそうなほどの光景だ。
というか僕も我慢
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