第四章 空白期編
第八十八話 『揺れ動く心、動き出す子鴉』
[4/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
丈夫。私はアルトリアもネロも大好きだから」
「ありがとうございます。シホ」
「…う、うむ…ならばよいのだ。奏者よ」
私はネロに犬の尻尾がついていてそれをぶんぶんと嬉しそうに振り回している光景を幻視していた。
「ネロはやっぱり可愛いわね…」
「そ、そうか…? 奏者よ」
「ええ。とても犬っぽくて愛情が沸いてくるわ」
それでついネロの頭を撫でている私がここにいる、と。
「奏者よ。くすぐったいぞ…」
「暴れないの。もう少しこうさせて…」
私がネロを弄っているとアルトリアが、
「………シホ。あなたはもう十分変わってきていると思います。女性愛妻家みたいでまるでリンのようですよ?」
「そ、そうかしら…?」
それでつい気持ちよさそうに体をくねらせているネロから手を離すと途端寂しそうな表情をするネロがいて私はまた胸がドキッとした。
やばい。私、かなり変わってきたかもしれない…。
そうはっきりと自覚してきた。
それからなのはに呼ばれて晩御飯を食べようとする前になのはが、
「なんか、シホちゃん。ちょっとすっきりしてない? なんか考え事が解決したような…」
「なのはにも察せるということは私も変わったってことかしら…?」
「そのようですね、シホ」
「もしかしてすずかちゃんの事、決心ついたの?」
「まぁ、そこはまだ内緒ということで…」
「えー? お話聞かせてよ、シホちゃん!」
「なのは、あなたのお話を聞く姿勢は相手をまずボコるから始まるのと同義だから気をつけたほうがいいわよ?」
「…え? なぜかそれはちょっとショックかも…。…やっぱりそうなのかな?」
「自覚があるなら今後はもっと穏便にお話を聞くのよ?」
「はーい…でもお話聞かせて!」
「しつこいわね。今は内緒よ! 決心ついたら教えるから!」
「わかったの!」
それでなんとかなのはは引き下がってくれた。
なのはってちょっと強引なところがあるからそこが少し心配なところね。
それで食事中、
「あ、シホちゃん。忍さんから聞いたんだけどシホちゃん、すずかちゃんに愛の告白をされたんだって…?」
「ぐっ、ゲホゲホッ…!」
食事が器官に詰まって痛い!
それにしても忍さん、言いふらすことはないでしょう!?
今、あっちでは多分ほくそ笑んでいるのだろうな。
すぐに想像できる。
「…そうか。すずかちゃんとか。ま、シホちゃんは元は男の子なんだから妥当といえば妥当のところなんだがな。私としては少し寂しいな」
「そうね、あなた。こうして子供は親から少しずつ離れていくのね…」
士郎お父さんと桃子お母さんがなにやら二人して変な会話をしている。
…べ、別にそんな変なことではないでしょう?
いや、変なことなのかな?
「忍さん、喜んで
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ