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【完結】剣製の魔法少女戦記
第四章 空白期編
第八十八話    『揺れ動く心、動き出す子鴉』
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すずかの告白から数日、シホは大いに悩んでいた。
それは…。

「私は、どうしたらいいと思う…? 士郎?」

シホは本日は学校帰りに八神家にやってきて自身と同じ存在だった士郎に相談しているのだった。

「そうだな…。すずか嬢はシホのことを本気で好いているのだろう?」
「うん…。だから私はどうしたらいいのか分からないのよ。第一私はすずかと同じ女性だし、他にも理由はあるけどすずかの気持ちにどう応えればいいのか…それで悩みが尽きないのよ」
「シホの方はイリヤが言うには世界の修正で魂が完全に女性化したという話だろう? シルビアという人物とも魂が融合したというし…。ならば確かに悩みどころだな」
「そう…。私自身はそれでも男性を好きになるとかは想像つかないし、やっぱり男性としての記憶が残っているから考えただけで鳥肌が少し立っちゃうのよ。
それはシルビアとしての女性の記憶もあるけどさ。そんなのは些細な問題だわ」
「難儀だな…。これではシホは魔術師の子孫を残すのはとうてい無理そうだな」
「まぁね…」

そこに二人の会話を黙って聞いていたはやてが、

「そんならシホちゃんの好きにしたらどうや?」
「好きにって…」
「シホちゃんはすずかちゃんのこと、どう思ってるん?」
「どうって…それはやっぱり可愛い女の子だし、私の事を最初に肯定してくれた大事な親友だし、私にとってすずかは…」

そこでシホはふと「あっ…」となにかに気付いてしまった。

「私も、すずかの事が好き、なのかな…?」
「なにかに気付いたみたいやね? そんならシホちゃんの心行くまで走ってみればいいと思うよ?」
「なにか分からないけど心にストンとなにかがはまったような不思議な気持ちね…」
「それがシホちゃんがすずかちゃんを好きだっていう気持ちや!」

はやてはここぞとばかりにシホの気持ちを固める行動を取っていった。
内心とてもいじりがいがあるカモを見つけたな、とはやては思ってほくそ笑む。

「で、でもやっぱり女性同士じゃやっぱり色々な問題が…」
「そんなん気にしたらアカンよ! 他人の目なんて気にせず想いを突き進んだらそれだけで幸せはつかめる!」
「そう、かな…?」
「そうや。だからシホちゃんも素直にいったらええと思うんよ」
「そうか…。うん、少し心が楽になったかも。ありがとう、はやて。私、もう少し考えて…そしたら答えを出してみるわ」
「その意気や。私は当然として士郎も応援するからな!」
「あ、あぁ…」

士郎ははやてのペースに乗せられてつい返事を返してしまった。

「それじゃもう遅いし帰らせてもらうわ。おいとまするわね、また明日学校でね、はやて」
「うん。またな〜」

それでシホは笑顔を浮かべながら帰っていった。

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