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Dies irae~Apocalypsis serpens~(旧:影は黄金の腹心で水銀の親友)
第三十四話 真の歌劇
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「メリー・クリスマス (Frohe Weihnachten)」



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これが、これこそが最終決戦なのだろう。残る敵はラインハルト一人だけ。

「ヴァルハラだと…」

グラズヘイムだと。そんなにずっと戦いたけりゃ、本当の地獄に落ちやがれ。

「俺がそれを創ってやる」

私はここだ。待ちきれんぞ。と言わんばかりに表情を緩めるラインハルトを見ながら、俺は天へと続く道を超疾走で駆け上がっていった。




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「怒りの日 終末の時 天地万物は灰燼と化し (Dies irae, dies illa, solvet saeclum in favilla.) 」

回れ契約の壷中聖櫃(ハイリヒ・アルヒェ)―――我が総軍を流れ出させろ。総て私の色に染まるがいい。

「海は幅広く 無限に広がって流れ出すもの 水底の輝きこそが永久不変 (Es schaeumt das Meer in breiten Fluessen Am tiefen Grund der Felsen auf, )」

いいや違うぞ。まだ始まってもいない。マリィは宝石だ。広がっていくのはその欠片。彼女の世界はお前の色に染まりはしない。

「ダビデとシビラの予言のごとくに砕け散る (Teste David cum Sybilla. )
たとえどれほどの戦慄が待ちうけようとも 審判者が来たり (Quantus tremor est futurus, Quando judex est venturus, )
厳しく糾され 一つ余さず燃え去り消える (Cuncta stricte discussurus. )」

壊したことがないものを見つけるまで。森羅万象、三千大千世界の悉くを。

「永劫たる星の速さと共に 今こそ疾走して駆け抜けよう (Und Fels und Meer wird fortgerissen In ewig schnellem sphaerenlauf. )」

駆け抜けるんだ、何処までも――――――俺と一緒に走った仲間を、今この時だって感じているから――――――

『藤井君、勝って……』

ああ、だから先輩も。

『絶対、お願い負けないで』

言われるまでもないだろ、櫻井。

『ここで待ってるから、帰ってきてよ』

帰るさ、お前が待ってる所に。

『ねえ、今でも刹那が愛しいの』

ああ、お前は変な奴だって思うかもしれないけど俺はこういうやつだよ。

『私は死人で出来た道なんか照らしたくない』

わかっています、だから手伝ってほしいんです。

『彼女を頼む……』

面倒くさいけど、約束しますよ。だから、ぜひ二人にも打ち上げは来
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