第14話
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「お待たせしました。こちらになります」
しばらく待っているとようやく確認が終わったのか朱乃さんが戻ってきた。案内されて屋敷に入ると一組の男女と執事が私達を出迎えてくれました。
「よく来てくれたね。私がフェニックス家現当主だ」
「お初にお目にかかります。リアス・グレモリー様の元で使い魔として仕えています、神代双葉と申します。レイヴェル様に関しては大変申し訳ない事をしてしまい、治療と謝罪に参りました」
「君が気に病む必要はない。ゲームでの出来事なのだから仕方ないことであるし、我々が出来なかった事を恥を忍んで内密にお願いしているのだから」
「そうおっしゃられるとありがたいです。ですが、私としてはそれでは納得出来ぬ事ですのでこちらをお納めください」
箱に入ったままのワインを差し出す。それを執事が受け取り中身を開けて当主方に見せる。
「これは?」
「先日、四大魔王様に賞讃されたワインです。サーゼクス・ルシファー様はこちらのワインの為に37年産のガープ領のワインと42年産のダンタリオン領のワイン、そして44年産のパイモン領のワインの三本と等価であると認めた上で、契約の元でお譲りした品です」
「なんと!?その三本と等価だと」
「はい。他の方々も後日、これに見合うだけの対価を元にお譲りする予定です。量自体が余り無く、新たに生産するにも最低でも5年は掛かる故、市場に出る事はほとんど無いと思われます」
「良いのかね?本当にこのような物を貰っても」
「はい。私としても差し出した手前、返されるとなるとそれはそれで困ってしまいますので」
「そうか。ならありがたく受け取っておこう。さて、これからレイヴェルの元に案内するが、何か必要な物はあるかね」
「いえ、特にありません。ただ、ゲーム中に凍らせたのでレイヴェル様は今もゲーム中だと思われて襲われるかもしれませんので、傍に居ていただけるとありがたいのですが」
「それ位構わんよ。では、行こうか」
朱乃さんは手続きが他にも在るらしく奥方と一緒に他の場所に案内されていく。フェニックス卿に案内された部屋ではあの日のままのレイヴェル様がベッドに寝かされていた。私はレイヴェル様の氷柱を担ぎ上げて部屋の真ん中に丁寧に降ろす。
「では、これより治療を始めます。一瞬で終わりますので」
少しだけ離れてから右手で手刀を作り、小宇宙を集中させる。右腕を振り上げ、全力で振り抜く。
「聖剣!!」
よし、ちゃんと氷だけを切る事が出来たな。再び近づいて軽く叩くと、氷柱に綺麗な切れ目が入っていき、崩れ去る。
「……こ、ここは?」
「おお、レイヴェル。無事だったか」
「お父様!?どうして、いえ、その前にここは、屋敷?」
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