第百五十話 転封
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ゃ」
フリードリヒ四世のはっちゃ気振にリヒテンラーデ侯が顳?と額に手を置いて渋い顔をする。
「ホッホッホ、国務尚書殿も苦労なさいますな」
グリンメルスハウゼンが笑いながらリヒテンラーデ侯を弄る。
「えぇい、卿が、陛下を甘やかしたからこの様な悪戯好きになったのだぞ」
「いえいえ、滅相もございませんぞ。陛下の悪戯好きは生まれつきでございます」
身分の上下も関係無く気の置けない者達の話し合いは進む。
「テレーゼ、アムリッツア星系からボーデン星系までの臣民を移住させると言う事は、焦土作戦は如何致す?」
フリードリヒ四世が当然の疑問をぶつける。
「はい、それは、以前からケスラーに命じて作っていた名簿により、各星系に旧叛徒系解放農奴、捕虜、政治犯の共和主義者、重犯罪者、農奴、流刑民などを入植させます」
「それでは、その者達を囮に使うと?」
出席者の驚きの中、ニヤリと笑うテレーゼが話す。
「そうです、アムリッツアからボーデンまで2億人近い叛徒に友好的な人々が食うや食わずで居れば、彼等は間違えなく食糧の配給を行うでしょう。しかも焦土作戦を知らない訳ですから、直ぐに補給計画が破綻します」
皆、テレーゼの話を固唾を呑んで聞く。
「更に、通商破壊を行い、補給を完全に干上がらせます。其処で一気に反撃し叛乱軍の主力戦力を葬り去ります」
「うむー、聞きしに勝る才能ですな」
「国務尚書、余り賞める出ないぞ、ただでさえ危ないことに頸を突っ込むのじゃから」
「御意」
「後は、敵の補給船団を鹵獲と、味方船団によって、敵からの奪還地域に速やかに補給と医療等の支援を行います。此により、叛乱軍に好意を持つ者達も我々に好意を持つように出来るでしょう」
「うむ、確かにあの者達の待遇は最低限度の食糧による飼い殺し状態、其処へ皇帝陛下のお慈悲で支援が受けられるとなれば、確かにそうなりますな」
「此ばかりは、転んでみないと判らないけど、その時の対応により臨機応変にするしか無いわ。叛乱軍が来るまでの最低限度の食糧は残すとかね」
「それが良かろう」
「小官もそう思います」
「うむ、叛乱軍が来るまでの最低限度の食糧は残すことと致そう」
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