第百五十話 転封
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て何故助けて貰えないのかと言う不満の表れが有る貴族の口から出る。
「うむ、今までは改革しように、内務省の者共の妨害でどうしようも無く手を拱くしか無かったが、先年の改革でやっと対処が可能になったのじゃ。その為に今回卿等を呼んだのじゃ」
フリードリヒ四世の話に、期待が持て始めた辺境貴族の顔に喜色が見え始める。
「それに、予とアンネローゼの皇子に負債を与えたくはないのでな」
グリューネワルト伯爵夫人の皇子の言葉に、辺境貴族が驚く。
「陛下、伯爵夫人が御懐妊致しましたか?」
その言葉に、フリードリヒ四世は笑いながら答える。
「そうではない、ルードヴィヒが死に予の世継ぎがおらん状態じゃ、それでは些か不味かろう。それにこの所体調もすこぶる良いのでな、そろそろアンネローゼと子でも作ろうと思っておるのじゃ」
皇帝の惚気にどう言ったら良いのか判らない状態が続く。
「陛下、それよりも、辺境開発のついて続けませんと」
リヒテンラーデ侯が話を戻すように提案する。
「おお、そうであったな。卿等の星系の詳しき情報を国土省惑星開発局に照査させたが、500年に及ぶ土地と資源の採掘により再開発は資金が掛かりすぎると出たのじゃ」
フリードリヒ四世の話に再度くらい表情になる辺境貴族達。
「其処で、卿等に転封を命じる事にした」
「転封?」
皆が、その言葉を聞き疑問のある顔をする。
「そうじゃ、卿等の所領を新規に開発した星系へ移封させる事にしたいのじゃ」
皆はいきなり所領移動と言われても困るという顔をする。
「恐れ多き事ながら陛下、突然のお申し出、我等一同困惑しております」
自然と代表者になっていたバルトバッフェル男爵が皇帝へ答えると多くの辺境貴族が頷く。
「確かに、いきなりであった。卿等の忌憚なき意見を聞きたい」
フリードリヒ四世の言葉にリューデリッツ伯爵が質問する。
「陛下、その新地の住民は如何ほど居るのでしょうか?」
「開発が済んだばかりで、開発庁の職員以外は殆どおらぬ」
その答えに皆が驚く。
「陛下、恐れ多き事なれど、住民が居なければ何もすることが出来ません」
クラインゲルト子爵の言葉に全員が頷く。
「その事じゃが、転封は卿等だけではなく卿等の所領全ての住民を移動させることにしておる」
「全住民でございますか?」
「そうじゃ、此より2年間かけ卿等の星系より全住民を移住させる」
その壮大さに皆が驚くが、ミュンツァー男爵は先祖譲りの聡明さで、処罰覚悟で問題点を指摘する。
「陛下、全住民を移住させますと、最初から土地を作らなければなりませんが、人力で耕すことがどれ程大変か、臣として領民の苦労を考えると恐れ多きことなれど、賛成する訳には行きません」
ミュンツァー男爵の言葉に多くの貴
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