第三幕その二
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る。
「・・・・・・わかった」
兵士達に宥められフィエスコも落ち着きを取り戻した。彼は剣を収めた。
「貴様等の様な下賤な者を斬っても剣の穢れだ。断頭台の斧こそが貴様等に相応しい」
そう言うと彼等から顔を逸らした。
「行け。そして悪行の報いを受けるのだな」
二人は兵士達に連れられて行った。そしてフィエスコの前から消えた。
「これであの連中を見るのも最後だな」
彼は冷たい視線で彼等の背を見ながら言った。
「さて、とあの様な連中はもうどうでもよい」
彼は官邸の執務室の方へ顔を向けた。
「あの男が死ぬというのか」
彼は感慨深げに呟いた。
「この様な最後を望んではいなかったが」
苦しい声で言った。
「貴様はこのわしの手で死ぬべき運命なのだ。それこそ貴様がわしに与えた屈辱と破廉恥な罪の報いなのだ」
彼はあの二十五年前の事を思い出していた。
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