第3章:武器屋トルネコと幼女騎士リューラ
第10話:念願成就
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道具屋へ歩き出す。
一体何を考えているのか?
「あの…」
「いらっしゃい! 何か入り用かなお嬢さん?」
道具屋のカウンターでは、中年のオッサンが愛想良くリューラを迎えてくれる。
「これ…お父さんから貰った…とっても大切な誕生日プレゼント…でも…そのお父さんを捜す為に、どうしてもお金が必要になっちゃったの…だから…買ってください。お願いです…少しでも高く…お願い…」
リューラは自分の耳からエメラルドのイヤリングを外すと、瞳に涙を浮かべながら道具屋に見せ、買い取りを懇願する。
あれは大好きな親父さんから貰った、リューラの宝物だったハズ。
オイラが以前『綺麗な宝石だね』って褒めたら、嬉しそうに教えてくれた。
「そうか…お父さんを捜す旅をしてるのか…小さいのに大変だね…よし、見た感じ4000〜4500ゴールドくらいだけど、思い切って5000ゴールドで買うよ! それでも良いかい?」
5000ゴールド!? 丁度足りない金額じゃん!
「お願いします…」
小さくそう言うと、震えながらイヤリングを差し出し、代わりに5000ゴールドを受け取るリューラ。
どうしてこんなオッサンの為に、そこまでするのだろうか?
アローペクスSIDE END
(エンドール)
トルネコSIDE
「ほ、本当に良いのですか?」
私はリューラさんから5000ゴールドを受け取りながら、しつこく気持ちを確認する。
私としては大変有難い申し出だが、彼女にとっては大切なお父上からプレゼントされたイヤリングを売ったお金…
「お父さんが…言ってた…高価な宝石を少し買うよりも…安価なパンを大量に買った方が、生き延びる事が出来る…って」
まぁ…宝石は食べられませんからねぇ。
「私は…この時代の事を知りません…この世界の事も分かりません…今の私にはトルネコが頼りです。お父さんと再会する為には…トルネコの力が必要です。だから…」
だから私の夢に協力する…と?
武器屋のネットワークを駆使して、お父上の情報を得ようとしているのか?
「おいトルネコ…これは大きな借りになったな! オイラもリューラに命を救われた…だからリューラの親父さんを捜す為、オイラは何処までもついて行くつもりだ。トルネコも軽い気持ちじゃいらんねーぞ!」
「わ、私は…最初から軽い気持ちなどでは…」
嫌な事を言う狐だ。
だが確かにこの金を受け取れば、お父上を見つけたくらいじゃ貸し借り無しにも出来そうにないな…
希望としてはポポロと結婚させ、財産を幾らかでも分けてもらう予定だったのに…
しかし、この5000ゴールドが無ければ、エンドールで店を開くのが遠退いてしまう…
う〜ん…どうするべきか?
「リューラさん…お言葉に甘えて、お金を頂
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