第三幕その一
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これで失敬させてもらうぜ」
「うむ。ではな」
「ああ。しかしあんたも態度がでかいな」
「それだけは余計だ」
「じゃあな」
士官はその場を去った。フィエスコは二人と擦れ違った。
「おや、あんたは」
先にパオロの方から声をかけてきた。
「何だ」
それは予想していた。フィエスコはそちらに振り向いた。
「出て来たのか。だが俺達はこうして刑場行きだ」
ピエトロは皮肉をまじえて言った。
「自業自得であろう」
フィエスコはそんな彼に対しても言った。
「フン、相変わらずだな」
パオロはそんな彼を口の端を歪めて笑った。
「まあいいさ。どうせボッカネグラの奴もすぐに俺の後にやって来るさ」
「それはどういう意味だ」
フィエスコは周辺の兵士達へ顔を向けた。
「少しこの場を離れてくれ」
「しかし・・・・・・」
兵士達はその言葉に困惑した。
「心配無用。その間この二人はわしが責任をもって見張っておく。この剣に誓ってな」
そう言うと剣を掲げてみせた。
「そう言われるなら」
兵士達はそれに納得した。同時に宝石も掴まされた。
「ほんの少しの間でいいからな」
フィエスコは彼等に対して言った。兵士達はその場を後にした。
「さて、今の言葉だが」
フィエスコは兵士達がいなくなったのを見届けると二人に対して問うた。
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