第四話「死闘の末に」
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「どうだろうか?」
「みな、疲れています、タチカゼどのも、町へ行きましょう」
「そこで、この戦いの疲れをいやすのです、一眠りすれば、
頭も冴えてきます。タチカゼ殿がどんな強い剣士でも、眠らず食わず休まずで、敵に勝ち続けることはできないでしょう?」
「そうです、わたしら関所勤めはいつも戦いの危険のなかにいる、そんな時一番自分を救っているものは食べ物と水、そして睡眠なんですよ」
「タチカゼ殿がこの戦いで果たして勝ったのかそれはわかりません、我々には。しかし私たちはタチカゼどののおかげで責務を果たせた」
「ほんとうか?あなた方のうち、十名も死んでいるのに」
「そうです、みんな、いいやつでした。死んだことは悲しいです。しかしあなたのせいではないしそれどころか私たちは彼らに代わって礼を言いたいくらいです」
「わかりませんか、本当の英雄はあなた一人です。わたしらはそれに付き従っただけなのです」
やっとタチカゼは自分を少し認めた。そしてすこしだけ勇気が出た。タチカゼは誇らしさを胸に自分の刀をトロルの腹から引き抜いた。
「ふむ、だいぶ錆びている。しかししっかり研げば、また光るだろう」
タチカゼは自分の刀を見て自分そのものだと思った。
そして、疲れがどっとでたのだろうその場で眠り始めた。
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