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形而下の神々
過去と異世界
赤髪の銃
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ボルバーだな、コッチの世界の物か?」

「あぁ、アレが神器だ。誰がふざけて造ったのか知らんが、ありゃウチ等の世界にも存在する。貴重な限定物の銃と同じ形なんだ」

 グランシェはエリザの銃に興味津々だが、俺は彼女が今言った不可解な言動の方が気になる。
 ウチらの世界にも存在する。だと?
 だがグランシェの興味はそこではないらしい。流石は傭兵と言うべきか、完全に銃の事しか頭に無いようで。

「同じ形?俺も知らないヤツだぞ」

 グランシェが眉間にシワを寄せると、エリザはどことなくグランシェに似たドヤ顔を披露して言う。

「知らなくて当然だ。かなりディープなガンマニアしか知らないような、使い勝手の悪い5つ穴のリボルバーだからな」
「弾が5発しか入らないのか?」

 グランシェはかなりビックリしてるみたいだけど、俺には何のことやら。

「あぁ。性能よりデザインに凝った、ある貴族がオーダーメードで7丁だけ作らせたもんだ。……って、いう伝説がある。ウチも実際写真しか見たこと無いが、あの綺麗なフォルムは忘れないさ」

 確かに、彼女の言う通り何となく綺麗な形をしている拳銃だ。

 と、そんな事を思っていると、いつの間にかもう片方の方も直したエリザが銃を拾っていた。たまらず俺はオルガフを構える。

「おいおい、そっちの弱い方はまだ戦うつもりらしいぞグランシェ」
「タイチ、もう良い。戦闘は終わった」

 グランシェがたしなめるように俺に言う。が、いやいや、傭兵のルールなんて知ないし。


「スティグマは引かせるよ。まぁ、ウチはもうスティグマのボスはしない。一人でその辺をふらふらするつもりだから、もしかしたらまた襲って来るかも知れんがそのへんは知らねぇから」

 と、エリザはそう言ってまさに赤い風の様に去って行った。

「おう、感謝する」

 グランシェは笑顔で彼女の背中に言う。何だか俺には立ち入れないような絆的なモノを二人の間に感じるんだけど……。

 やっぱりエリザとグランシェは仲良しじゃないのか?


「グランシェ、お前エリザになんか優しくない?」
「あぁ、まぁ色々あるんだよ」


 グランシェは少し寂しそうに、俺から目をそらしてそう言った。

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