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形而下の神々
過去と異世界
赤髪の銃
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右手に持った石を遠くへ投げ、今度はトゥーハンドの方に向き直って眉をひそめる。

「しかし正確に狙ったと思ってたのに吹っ飛んでないとは、俺のノイズキルも大したことないな」

 残念そうにグランシェが言うと、トゥーハンドはニヤリと笑って返してきた。

「ウチならその作戦で確実に敵を仕留めてたぜ?」

 言ってヨロヨロと立ち上がるトゥーハンド。

「グリーンバレット、本名はグランシェって言うのか。ウチの本名はエリザ=ランカン。てめぇには完敗だ。この通り肩が抜けて銃も撃てねぇ」

 言った通り、何とか立ち上がった彼女の両腕は痛々しいまでにだらんと垂れていた。かつてそこに収まっていた自慢の鉄砲は、さっきの爆発でどこかへ飛んでしまっているようだ。
 と、勝利が確定したからか、突然グランシェが話題を変えて赤髪のエリザを詰問し始める。

「エリザ、お前はどうしてここに居るんだ?」

 俺も気になっていたのだがグランシェの知り合いだということはやはり、エリザは俺たちと同じようにココの住人ではないらしい。
 が、彼女の答えはあまり参考にはならなかった。

「ウチにも分かんない」

 それがトゥーハンド、いや、エリザの答えだったのだ。
 分からないとはどう言う事だ?と聞こうとしたが、それより早くエリザが口を開いた。

「まぁ、気付いたらここに居たんだ。最初は神器やら公式やらに怯えながら暮らしてたんだがな、いろんな銃の神器を見付けてな、今じゃあスティグマのボスだ」

 そこまで言って、エリザは両手を垂らしたままくるりと背を向けた。

「まぁ、それもここまで。スティグマの奴ら、ウチが傷付いていると知れば間違いなく殺しに来やがる。なんせ武力で奴らを征圧してたからな」


 ……おいおいマジかよ。ザッと見た感じ、スティグマの戦力は30人ちょっと。全員が戦闘用ではないにしろ何らかの公式を使えるハズなのに、それを武力で抑えていたと。

 エリザって、もしかして凄いヤツなんじゃ……?


 と、グランシェが何故かエリザに近付いて行く。今更だがトドメを刺すのだろうか?
 が、そうではない様でグランシェはエリザの肩にそっと手を触れた。

「イッてぇ!!」

 ゴリッとなまなましい音が聞こえ、エリザの肩が動くようになっている。どうやらグランシェは彼女の肩を直したらしい。

「右肩は治したぞ。左は自分でなんとかしろ。流石のトゥーハンドでも両腕が使えないのではすぐに死ぬだろ」

「おいおい、ウチは敵だぞ?」

 エリザは目を丸くしている。まぁ俺も正直ビックリだけど。

「同じ境遇のよしみだ、お前さんの銃はあそこだろ?」

 グランシェが指差した先には一丁の拳銃がころがっていた。

「見たことないリ
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