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形而下の神々
過去と異世界
赤髪の銃
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 と、ズリズリと引かれて煙から脱出し、やっとの事でグランシェの顔が見えた。そして先程の爆音の方角を見ればそこには片膝をついているトゥーハンドの姿。

「グリーンバレット……!! てめぇ……」

「え、グランシェ何したの?」

 ホントに訳が分からんので小声で聞いた。
 すると、もう小声で話す必要は無いのに何故か小声で、しかもドヤ顔で彼は返してくる。

「ノイズキルって言うんだがな、音だけで敵を倒す技、実は俺も出来るんだよ」

 まぁトゥーハンド程じゃないがな。と、グランシェは少し残念そうに付け加えた。

 そしてグランシェは苦しそうにする赤髪の女性を見やると、勝ち誇った笑みを作る。

「早まったなトゥーハンド」
「うっせぇカス!!」

 対する彼女の方は既に両手共から銃を手放しているが、まだまだ戦意はあるみたい。俺ならもう降参してるけど、傭兵ってのはこんな物なんだろうか?

「で、結局グランシェはトゥーハンドに何をしたんだ? 俺にはさっぱりだったんだけど」

 聞くとグランシェは満面の笑みを作って説明を始める。

「さっき、ヤツがタイチに向かってボールを2つ投げただろ?」

 俺は赤髪が投げてきた2つの手榴弾みたいなものを思い出した。片一方は煙玉で、もう片一方は不発のまま俺の足元に転がったんだ。

「あぁ、なんか投げて来てたな。1つは不発だったけど」
「それ、不発じゃないんだ。俺を始末したあと、オルガフに邪魔されずにタイチを殺すための爆弾だったんだよ」

「えっ、マヂかよ」

 グランシェの話によると、直接の弾丸は俺の神器が弾くから、あらかじめ爆弾を俺の足元に投げておいて、グランシェを倒した後にその爆弾を打ち抜いて俺を爆死させるつもりだったらしい。
 不発だと思って完全に安心してたよ……。あぶなかった。


「で、それを拾って投げ、逆にヤツを爆死させるつもりだったんだ」

 最期に感じた熱風と爆音はそれだったのか。

「って、投石紐で投げたのか?」

 というか投石紐は盛大な風切音がするってのに、良く使ったなコイツ。

「いや、あれはフイェクで実際はこうしたんだ」

 そう言ってグランシェは右手で石を拾い構え、左手に投石紐だけをを持つ。そして、左手を身体から放して、身体から遠い場所でヒュンヒュンと投石紐を振ってみせた。

「こうすりゃ、ヤツは心臓か脚を狙うから俺には弾は当たらない」

 確かに投石紐はグランシェの身体から随分離れた位置で鳴っているから、音の出所を正確に捉えて発砲すれば弾丸は空を切る事になるだろう。
 彼は楽しそうに続けた。

「で、トゥーハンドが発砲した音を頼りに今度はこっちが攻撃を仕掛けたんだ」

 そう言ってグランシェは
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