第二幕その六
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ブリエレはその言葉に畏まった。
「そなたは平民の議員及び要人達と共にあの二人に煽動されている民衆を説得せよ。彼等には罪は無い」
「わかりました。そしてあの二人はどうしますか?」
彼は問うた。
「心配は無い。どうせこの街からは逃げられはせぬ」
シモンは毅然として言った。
「馬鹿者共が。すぐに逃げればよいものを」
彼は怒りを込めた声で呟いた。
「所詮は煽動だけが脳の連中か。何時までもそれが通用すると思ってか」
彼は退室するガブリエレを見送りながら言った。
「煽動は政治とは違う。それがわからぬ愚か者は最後には斧の下で死ぬ」
やがて騒ぎは収まった。そしてシモンを称える声が聞こえてきた。
「終わったか」
シモンはそれを聞きながら呟いた。
「アメーリア、いやマリアよ」
彼は娘へ顔を向けた。
「はい」
「そなたの目は曇ってはいないようだな」
シモンは娘に対して言った。やがてパオロとピエトロが捕らえられたとの報告が入って来た。
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