暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
ALO
〜妖精郷と魔法の歌劇〜
シルフ領:スイルベーン
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ーファちゃん!無事だったの!」

顔を向けると、手をぶんぶん振りながら近寄ってくる黄緑色の髪の少年シルフが見えた。

「あ、レコン。うん、どうにかねー」

リーファの前で立ち止まったレコンは目を輝かせながら言った。

「すごいや、アレだけの人数から逃げ延びるなんてさすがリーファちゃん………って───」

今更のようにリーファの傍らに立つ集団に気付き、口を開けたまま数秒間立ち尽くす。

「な………スプリガン!?インプも!!ケットシーも!?なんで………!?」

その時、リーファ達の背後でズゥン!という腹に響くような音が響いた。

慌てて振り向くと、目の前に赤々と光る両眼があった。

「クーもいるよ〜」

大口を開け、金魚よろしくパクパク開閉させるレコン。固まる空気の中、キリトのポケットから顔を出したユイだけが「お久し振りですね〜」などと緊張感の欠片もない言葉を吐いている。

フシュー!というジェット噴射のようなクーの鼻息で、やっと凍りついた時間が動き始めた。

気を取り直すように、リーファはいまだに固まっているレコンに話しかける。

「い、いいのよレコン。この人たちが助けてくれたの」

「………へっ?」

いまいち反応の遅いレコンを指差し、ひとまずレン達に紹介する。

「こいつはレコン。あたしの仲間なんだけど、キミ達と出会うちょっと前にサラマンダーにやられちゃったんだ」

「そりゃすまなかったな。よろしく、俺はキリトだ」

「僕はレンホウ、レンって呼んでね」

「……カグラと申します」

「ぐるるるぅぅぅ〜!」

四者四様の挨拶を聞き、レコンが半分泣きそうな顔を向けてくる。長年の付き合いで大体わかる。あの顔は、この人たち大丈夫なの?という顔だ。

一応言っておくが、この場合大丈夫という言葉の意味は決して精神的なアレではなく、安全性の問題である。

それにリーファはウインクで返す。

レコンはそれを受けても、半信半疑といった表情でレン達を見ていたが、やがて咳払いして言った。

「リーファちゃん、シグルドたちは先に《水仙館》で席取ってるから、分配はそこでやろうって」

「あ、そっか。う〜ん………」

キャラクターの装備している非装備アイテムは、敵プレイヤーに殺されるとランダムに三十パーセントが奪われてしまうが、パーティーを組んでいる場合に限って保険枠というものがあり、そこに入れているアイテムは死亡しても自動的に仲間に配送されるようになっている。

リーファ達も今日の狩りで入手したアイテムのうち価値のあるものは保険扱いにしていたので、最終的にはリーファが全ての稼ぎを預かることになり、サラマンダー連中もそれを知っているゆえにしつこく追ってきたわけだが、レン達の
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