第21話
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て…」
「んー?多分スピード型になったろうな」
「体力、あと一本だもんね」
どうしたものかと考えていると、≪THEROCKMAN≫がクラウチングスタートの姿勢になった
「やべっ!避けろッ!!」
俺の声に呼応して横に跳ぶ。その直後、ごおっと凄く大きな音と影と共に≪THEROCKMAN≫が突っ込んで来た
その速度はいままでの奴からは想像もできないすさまじいもので、思わず口笛を吹いてしまった
しかし…
「はえぇけど…あれ、どうなの?」
みると≪THEROCKMAN≫は壁に頭を強く打ち、ダメージを受けていた。明らかに自滅行為だ
しかし≪THEROCKMAN≫は再びクラウチングスタートの体制になる。そう認識したと同時に突進が繰り出される
「とにかく動き続けろ!」
奴の動きは直線的だから避ける事自体は可能だ。しかし問題はその速度だ。あまりにも早いその動きは俺達の攻撃をけっして許さない速度だった
「レイ!危ない!!」
サチの声に一瞬で危機感を抱く。黒印の持ち手を突き出し、カウンターの体制に移る
案の定そこに突っ込んできた。俺はカウンターを何とか発動させようと踏ん張ったが、不発に終わる
「ガアアアッ!?」
全身を壁に叩きつけられる。しかも、≪THEROCKMAN≫はそのままタックルを繰り出そうと身構えていた
「レイー!」
サチが俺と≪THEROCKMAN≫の間に割り込んできた。俺を突き飛ばし、代わりにサチがタックルを受ける
「サチさん!?」
「サチぃ!?」
「ごめん…無茶、だった…ね」
サチは体力をレッドに染めて体を縮こめて肩を震わせていた
「大丈夫か!?」
「うん、なんとか、ね」
「サチさん…」
「ピィ!」
ピナが咄嗟に≪キュア・ボム≫でサチの体力を気休め程度だが回復する
「お二人共!来ます!」
その声にはっとして振り返るとクラウチングスタートが見える
「…任せろ」
ちなみに、奴の体力もレッドゾーンだった。自爆しすぎだ
俺はそっと黒印を鞘に戻し両足を開く
「…こい。貴様は決して触れてはいけない逆鱗に触れた」
今までで最速の突進が向かってきた。俺は目を閉じる。そして感じた
風を、気配を、音を
そして
「覇ァァァァアア!!」
≪居合・真≫
綺麗に吸い込まれたその攻撃は、≪THEROCKMAN≫の体を鮮やかな姿から無残なポリゴンへと変えた
「因果、応報だ――」
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