11 「男が泣いていいのは人生3回だけ」
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ルの上には所狭しと並べられた沢山の食事。魚料理もあれば肉料理もあり、野菜炒めから生野菜のサラダ、そして中央付近にはこんもりと盛られた白米。
「にゃっふ――!!」
ルイーズなどロデオではねるプーギーのようにぴょんぴょん跳ねながらご馳走に向かって飛んでいった。
「おいおい…まだ昼だろ」
「いいんですよ、皆宴会が大好きなんです」
びっくりして横を見ると、私服に着替えたリーゼが照れくさそうに立っていた。エリザと似たデザインだが、こちらのほうがスカートの丈が長い。
着替えるだけでこんなに印象が変わるのか、というほど一瞬気づかなかった。この服のまま「わたしはハンターです」といっても、信じられないだろう。
(女の子って、服で印象変わるよな……)
「さあ、いっぱい食べましょう!」
誘われて中央の席にいくと、手先が見えないほどの速さで用意された皿をがっついているルイーズと、それをニコニコしながらわんこそばの如く次々に補充していく村娘2名の姿があった。いや、これはハンターズギルドの制服だから、受付嬢か。水色と濃いピンクの服は、ちょっとリーゼ達の服と意匠が違う。
「かわいいなぁ」
「ほんとねぇ」
気に入られているようで良かったが、そんなにがっつく猫のどこが可愛いんだか。
どうでもいいことを考えながらも、ナギの視線は自分の席と思しきところに置いてある茶碗に盛られた白米に釘付けだった。ちゃっかりナギの隣席をキープしたエリザに勧められるまま箸に手を伸ばし、艶やかに光る真白きそれを口に放り込んだ。
「……美味いっ!」
「お口にあったようでよかったですー」
それっきり口を閉ざし、先程まで馬鹿にしていたルイーズのように(主に白米を)口に運び続けた。同じくナギの隣に座ったリーゼは「おいひいおいひい」と自分も箸をすすめ、エリザは自分も食べつつナギの皿に食事を追加していく。周りでは村人たちもわいわいとご馳走にありついていた。
(あ、これ醤油じゃね!? うわ、サシミウオの刺身醤油で食べられるなんて、夢じゃないよなこれっ)
白米と刺身を交互に口に運ぶその顔は、無言ながらも非常に美味しくそれを食べていることを如実にあらわしていた。
「で、少々せっついているようで申し訳ないんですけれど」
向かいに座っていた村長が、1人口元をナプキンで優雅に拭いてから口を開いた。食べ終わるやいなやマスクをしっかり装着し、片付き始めたテーブルの上で腹踊りを披露している村のアイルー達を観ていたナギは、とうとう来たかとそちらに意識を向ける。ルイーズもハッとして、持ってきた小樽にひたすら食べ物を詰めていた手を止めた。
「どうでしょうか、この村は。なかなか良いところでしょう?」
「…はい、本当に。温泉も非常に
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