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問題児たちが異世界から来るそうですよ?〜MEMORY〜
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「自分の名前すら分からない?・・・・・・それって記憶喪失って事!?」
飛鳥の声は驚きに満ちていた。しかし、彼は対称的に落ち着いていた。いや、驚くという行為があることすら忘れてしまったかも知れないが。
「そうなるかな?」
「ハハハ、記憶喪失なんて思いっ切りぶん殴ったら、治るんじゃねぇか?」
「本当に?」
「そんな訳無いでしょう!」
十六夜の言葉を真に受けそうになる彼に飛鳥は声を上げて否定する。
そんな彼らを物陰から見ている者がいた。
(うわぁ・・・・・・なんか問題児ばっかりみたいですねぇ・・・・・・)
十五、六歳に見えるウサ耳の少女だった。
「で、呼び出されたはいいけどなんで誰もいねえんだよ。この状況だと、招待状に書かれていた箱庭とかいうものの説明をする人間が現れるもんじゃねえのか?」
「そうね。なんの説明もないままでは動きようがないもの」
「・・・・・・。この状況に対して落ち着き過ぎているのもどうかと思うけど」
(全くです)
陰で見ていたウサ耳少女はこっそりツッコミを入れた。
もっとパニックになってくれれば飛びだしやすいのだが、場が落ち着き過ぎているので出るタイミングを計れないのだ。
「―――仕方がねえな。こうなったら、そこに隠れている奴にても話を聞くか?」
「ああ、あれって隠れていたのか。何がしたいのか解らなかったよ」
「なんだ、貴方たちも気づいていたの?」
「当然。そっちの猫抱いてる奴も気づいていたんだろ?」
「風上に立たれたら嫌でもわかる」
「・・・・・・へえ?面白いなお前」
軽薄そうに笑う十六夜の目は笑っていない。記憶喪失の彼を除いた三人は理不尽な招集を受けた腹いせに殺気の篭った冷ややかな視線をウサ耳少女に向ける。
「や、やだなあ御三人様。そんな怖い顔で見られると黒ウサギは死んじゃいますよ?そんな黒ウサギの脆弱な心臓に免じてここは一つ穏便に御話を聞いていただけたら嬉しいでございますヨ?」
「断る」
「却下」
「お断りします」
「あっは、取りつくシマもないですね♪」
降参のポーズをとる自分のことを黒ウサギと言ったウサ耳少女。
黒ウサギはおどけつつも、四人にどう接するべきか冷静に考えを張り巡らせている―――と、彼は黒ウサギに近付いて、
つんつんつんつん。
黒ウサギのウサ耳をいじりだした。
「・・・・・・」
つんつんつんつんつんつんつんつんつんつん
「・・・・・・・・・・・・」
つんつんつんつんつんつんつんつんつんつんつんつんつんつんつんつんつんつんつんつんつんつんつんつんつんつん
「ちょ、ちょっとお待ち
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