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Dies irae~Apocalypsis serpens~(旧:影は黄金の腹心で水銀の親友)
第三十三話 唯一無二の決着
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一人、パシアスのみであったと言える。

そして世界が彼を中心に回り続ける。ああ、まるでよくある喜劇のように私は奪われる。やっと、ようやく私はその身に望んだ栄光を得るはずだった。誰にも邪魔されない、奪われることのないたったひとつの愛の揺り籠。それが失われていく、消えてしまう?
嫌だ、厭だ、イヤだ、イヤダ、イヤダ、イヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダ否だイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダ嫌だイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダいやだイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダ―――――――――――――。
もう飽いていたくない、餓えていたくもない。私はあんな日々に戻りたくない。愛を求める道化でいたいのよ!そんな日常(非日常)私はもう要らない。
パシアスにとってその恋は、愛は特別だ。それらを失うことはどうしようもなく恐怖すべきことであり、唾棄すべきことである。
自らの肉体が失われていく感覚に恐怖する。ルサルカ、いやアンナという彼にとっての仲間が肉体から失われることで彼女は無意識に語り掛けることができなくなっていた。所詮、無意識というものはずらす、あるいはそらす程度のことしかできないのだ。にも拘わらす彼に語り掛けれてたのはアンナという特別な存在がいたからなのだ。その特別というメリットを失えば維持すことなど当然できない。

「ふざ、けるな――――――」

まだ終わっていない。まだ、彼が残っている。アルフレートを喰らった力がまだ自分には残っているのだと。愛すべき人の助力は失われていないと自らを鼓舞する。そして、

「かわいそうな私、もう神になるしかないのね (Tut mir leid f?r,Ich w?rde Gott sein)」

許される限りの己の死力を尽くすだろう。だが結局は届かない。理解している。もはや格が違うのだ。彼女が行えるのはよくて創造位階であり、この世界はすでに流出位階の世界であるがゆえに。止まることを抑えることなどできはしない。

「それでも、私は彼のことを愛しているのよ!私の彼への愛があなたなんかに劣っている筈がない!」

紡がれる刃はすでにその勢いを失いつつある。速さなど、最早この世界では意味を成しえない。

「俺たちは今に生きている。お前たちみたいに過去にすがり続ける人間に負けない」

決着は一瞬だった。横薙ぎに振るわれた刃は蓮に掠ることすらなく逆に放たれたギロチンを前にパシアスは首を絶たれるだけであった。

「ich liebe dich.」

そうして、彼女は消えた。何も果たせず、何もできない自分を呪いながら、最後までその愛を忘れることが出来ないままに。

《故に俺も君のことが愛おしかったよ。俺の大切な|お
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