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Dies irae~Apocalypsis serpens~(旧:影は黄金の腹心で水銀の親友)
第三十二話 紫電と灼熱
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彼女の創造と思っていたものは違うのだと。
「我を焦がすこの炎が 総べての穢れと総べての不浄を祓い清める (Das Feuer, das mich verbrennt, rein'ge vom Fluche den Ring! )
祓いを及ぼし穢れを流し熔かし解放して尊きものへ (Ihr in der Flut l?set auf, und lauter bewahrt das lichte Gold, )
至高の黄金として輝かせよう (das euch zum Unheil geraubt. )」
赤化
(
ルベド
)
は黄金を生む最終形態。水のように不純なものに染まる道理など無く、即ち獣に最も近く、崇拝し、敵を撃滅すべき剣―――
「すでに神々の黄昏は始まったゆえに (Denn der G tter Ende d mmert nun auf. )
我はこの荘厳なるヴァルハラを燃やし尽くす者となる (So - werf' ich den Brand in Walhalls prangende Burg. )」
圧倒され、動けなかったのはほんの数秒。だがそれで総てが手遅れだった。
「創造 (Briah―― )」
抜刀が起きる。何が何でも抜かせてはならなかったというのに。
焔
(
スルト
)
の剣が世界を包み、燃やし尽くす。その銘は、
「焦熱世界・激痛の剣 (Muspellzheimr L?vateinn )」
「ッ―――――砲身の…中?」
灼熱の閉塞された世界に閉じ込められ、ベアトリスは気付いた。ここはドーラ列車砲のバレルの中なのだと。
「そうだ、故に分かるな。絶対に逃げられぬとはこういうことだ。逃げ場など、最初から何処にも存在しない
世界
(
モノ
)
をいう。
勝負ありだ。最早どうにもならん。受け入れろ、諦観して座すがいい。所詮、貴様はハイドリヒ卿は愚か、私すら超えられんと」
「嫌です。私はあなたを救うんです」
「何故だ」
本当に訳が分からないとばかりに、ザミエルは呆れすら含ませながらそういった。
「だって少佐、友達いないじゃないですか」
そんな戯言を何故そうも頑なに吐き続けれるのか。打つ手は無いというのに。既に砲身は発射し始め、彼女がエレオノーレに勝つことなど出来はしないというのに。
「だからせめて、馬鹿みたいに付いて行ける私ぐらいは乗り越えてあげないと。目を覚ましましょうよお姫様。その火をあなたに与えた男はろくなもんじゃないんです」
「ジークフリート気取りか」
「女同士じゃご不満もあるでしょうけど」
(私はここで砕けてもいい。だから戒、力を貸して。あなたの妹を守るためにも。あの人だけでも連れて行くから)
「戻りましょう、少佐。ザミエル
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