黄巾の章
第2話 「愛紗の目が紅く光っているのだ……」
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る。
こうなっては止め様がない。
「あきらめるのだ。白蓮のお姉ちゃんも言ってたけど、この状態のお姉ちゃんは何を言っても無駄なのだ」
「鈴々……とほほ」
ああ、ご主人様が陥落した。
それを孔明と鳳統がよしよしと……マテ、ナ ニ ヲ シ テ イ ル
「と、とりあえず……二人は仲間になったということで! あ、それと対外的には劉備軍にするからね! いいね!」
「もう、しょうがないなぁ。ご主人様のテレ屋さん♪」
「(ぼそぼそ)……にげちゃだめだ、にげちゃだめだ」
ご主人様が後ろを向いてしゃがみこみ、ぶつぶつと何かをおっしゃっている。
その頭を再び孔明と鳳統が……ナニヲ、シ
「じゃあじゃあ! 二人とも私の真名を預けるね。私は桃香。よろしくね」
「鈴々は鈴々っていうのだ!」
桃香様と鈴々が真名を名乗り、ちらっと私に視線を向ける。
う……ここで預けねば、私が狭量ということになってしまうではないか。
二人にはともかく……ご主人様には思われたくはない。
「……愛紗だ」
渋々、といった想いで真名を預ける。
「ありがとうございます! 私は朱里といいます!」
「わ、わたしは、雛、里です……」
孔明――朱里は喜んで、鳳統――雛里はもじもじとして、それぞれ真名を名乗る。
やれやれ……仕方ない。
「では、ご主人様……そろそろ元に戻ってください。これからどうするか決めませんと」
「あ、ああ。そうだった……」
私の言葉に、ようやくご主人様が立ち上がる。
「で、これからどうしますか?」
「ああ、そのことなんだけど……」
そうしてご主人様は、先日から決めていたという行動指針を皆に伝えた。
ちなみに朱里と雛里は昨日の夜に聞いていたらしい。
「ということで、昨日のうちに細作は放ってある。そろそろ戻るから、その情報を元に――」
「伝令!」
そこに放っていたと細作と思われる兵が走ってきた。
その情報とは、この先二十里(十km)先の街道に黄巾党の陣があるとのこと。
その数、一万。
「一万かあ……ふむ」
「数の上では圧倒的不利……ですが。どうされますか?」
「うーん……六千対一万か。数の上でなら、どうとでもできそうだけど……被害は減らしたいね」
さすがご主人様。
兵数で負けている状況でもなんとかできる、とおっしゃる。
しかし、そう言いつつも、チラッと朱里と雛里を見た。
「二人とも、初仕事だ……損害をできるだけ少なく勝利する献策を、俺に示せ」
「「御意!」」
ご主人様の言葉に、二人の軍師は声を揃えた。
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