黄巾の章
第2話 「愛紗の目が紅く光っているのだ……」
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「なんのことでしょう?」
「……まあいい」
そういってご主人様は、翌朝になって桃香様や私、そして鈴々がいる前で、孔明と鳳統が正式に仲間になったことをお伝えなされた。
「そういうわけだ。彼女達は俺が面倒見るよ」
「うーん……じゃあ二人は、ご主人様に仕えるってこと?」
「いや、それは……」
「「はい、そうです!」」
「おい」
桃香様の言葉に否定しかけるご主人様を、二人が遮って答える。
「いや、俺はあくまで桃香に力を貸しているんであって、桃香がここの主みたいなものなんだから……」
「いいえ、私たちは劉備様のお仲間にはなるつもりです。でも、私たちが真にお仕えするのは盾二様です」
「私たちは盾二様が桃香様にお仕えするので、桃香様のお仲間になります。でも、盾二様のご命令を優先します」
「お、おい、二人とも……」
ご主人様の言葉に孔明と鳳統がしれっと答える。
ふむ……これは。
「ゴシュジンサマ?」
「やめて、よして、その目はダメだから! 怖いんだからやめてくださいおねがいしますアイシャサン」
ソンナニ、こほん。
そんなに怖く睨んだ覚えはないのですが。
「愛紗の目が紅く光っているのだ……」
鈴々? おかしなことを言うな。
ワタシのドコが捕食者の目だとイウノダ
「こ、怖い……」
「ま、負けません!」
何を言うのか、この幼女ども。
「え、えーと……桃香さん? とりあえずそういうことなんですが……いい?」
「え? もちろんだよ!」
は?
「と、桃香様?」
「愛紗ちゃんも、なんでそんなに怒ってるの?」
桃香様は、にっこりと笑っておられる。
いや、別に怒ってなどいるつもりは微塵もありません。
ええ、ありませんとも。
「ご主人様に仕えるってことは、私たちの仲間になるってことだよね? だったら歓迎するよ!」
「よ、よろしいのですか? 二人は桃香様でなくご主人様自身に仕える、とおっしゃっているのですよ?」
「だから?」
きょとん、とした顔で尋ねてくる。
「ご主人様に仕えるのは当然じゃない。だって私もご主人様をご主人様と思って一緒にいるんだもん。全然問題ないよ?」
「いやいやいやいや、いや! ちょっとまってくれ。桃香、俺は君に力を貸しているつもりだといったぞ!」
ご主人様が慌てて声を上げる。
しかし、桃香様はニッコリ、と笑顔で……
「うん、だから私がご主人様になってもらったんじゃない」
「いや、だから……俺は力を貸しているの! 主体は桃香なの! 俺はただの御輿!」
「違うよ? ご主人様だよ?」
「だぁからぁぁぁぁっっ!」
いかん。桃香様の頑固状態が発動してい
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