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神葬世界×ゴスペル・デイ
第一物語・後半-日来独立編-
第二十八章 目指す場所へ《4》
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こでは見えないだろう。日来が現れたのは辰ノ大花の南側、お前がいる中心部では見えないと思うが』
 こちらの行動を見透かしたように、冷静な口調で話す。
『すまないが、いざという時のためにも解放場へと移動してもらいたい。残り少ない命だ、最後ぐらいは辰ノ大花を見渡したいだろ?』
 つまり解放の時間を早める、と言うことだ。
 迷惑なことをしてくれる、と日来に怒りを覚えるがここは冷静に振る舞うようにする。
「仕方無い、部屋の外にいる者達に付いていけばいいんだな」
『ああ、それとすまないが解放開始までは束縛系術を掛けさせてもらうが、文句は無いな?』
「あったとしても聞く耳を立てないのだろ」
『暴走してもらっては困るのでな』
 それだけを言い、映画面は消えた。
 手に握る造花を羽織ったマントの内側ポケットに入れ、身支度も無いのですぐに部屋と外へと向かう。
 思うことも多々あるが、今更何を思おうと仕方の無いことだ。
 だったら早く――。
 襖に開ければ、女子学勢が二人いた。
 一人は黒髪を後ろで束ねた女侍。もう一人は金髪の女子だ。外見から見るに、親のどちらかが英雄国イーギスの出たのだろう。
 二人の内、黒髪の学勢は黄森の覇王会指揮官であり、金髪の学勢はその補佐だ。
 覇王会関係なので数回程、顔を会わせた程度だが彼女らの実力は雰囲気だけで伝わって来たことを思い出す。
「まさか妖刀使いの柳生・繁真と、双槍使いの加藤・清継がお出迎えとはな」
「私語は慎むようにと長から言われてますので多くのことは話せませんが、何か言いたそうですね」
 鋭い目付きの繁真がこちらに向かって、感情を潜めた言葉を言う。
 そこまで警戒されているのかと思うが、警戒しているということは何時でもこちらを殺す気でいるということを意味する。
 何処であっても上に立つ者達は皆そうだ。実力社会の今ではそう珍しいことではな無いし、それが当然となっている。
 彼女の言葉に首を横に振り、
「いや、何でもない。行くなら早く行こう、面倒事はこれ以上御免だ」
「分かりました。それでは束縛系術を掛けますので、手首を合わせて前に出してもらえますか」
 左に立っていた清継に言われ、両の手首を合わせ前に出す。
 失礼します、と言い束縛系術が掛けられた。
 青い光は手錠を生み出し、奏鳴の手の動き制限する。
 見た目は手錠のようで容易く壊れそうな気がするが、少し動かしただけで分かる。これは束縛対象の行動を制限するものだ。
 今は解放場へ向かう以外の行動を制限されている、違反すれば何らかの罰がある筈だ。
 これは万が一、日来の者が自分を奪おうとするのを防ぐためのものだろう。
 それにこの束縛系術は、竜神を宿している自分のためだけに作られた専用の創作系術だ。
 これを作ったのが清継だと
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