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神葬世界×ゴスペル・デイ
第一物語・後半-日来独立編-
第二十八章 目指す場所へ《4》
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う前に解放と言う手段を取るに至った。
 つまりはこの力があるからいけなかったのだ。神を宿し、宿り主となることは禁忌系術と同格かそれ以上のリスクを負うことであり、一度宿り主になってしまうと生涯を終えるまで神を宿したままだ。
 神人族であることから開放の一手でしか、神から離れる術は無い。
 自分が自分でいなくなるのであれば、自我がある時に死んだ方がマシだ。
 奏鳴は一人、静かな空間のなかで思った。
 風が髪を揺らし、長い髪は遊び揺れる。
 小柄な自分が、少しは強いように見えるためにと伸ばした髪。
 我ながら馬鹿なことを考えるものだと、今更感じる。
 風が弱まり落ちる髪、外を向いた視線が部屋の隅に置かれている机へと向く。
 そこにあるのは花瓶に入れてある、青い造花の花。
 見たことのない先が尖った十字を二つ重ねたような形をした、青いその造花だが何故か本物の花にも感じられる。
 作り物だが何故かそう感じる。不思議なものだ。
 造花へと手を伸ばし、茎を掴み自身に近付けた。
 これは二年前、竜神を宿していることから覇王会会長として一年生にも関わらず務めることになった日の時に、見ず知らずのあの人から貰ったものだ。
 フードで顔を深く覆い隠し、屋敷の丁度ここの外にある塀に突如として現れた。部屋のなかにいた自分に向かい、笑みを漏らして、
『もしお前に何かあったなら救いに行く。何もなかったなら……、まあ、そっちの方がいいのかもな』
 と変なことを言った後に、手を伸ばしこの造花を渡そうとして。
 自分はそれを受け取った。
『それ、“憂いの花”って言んだ。現実空間じゃ咲かない花だから作ることしか出来なかった。本物はこれより綺麗なんだぜ。
 だからさ、もし時が経っても、世界がまだマシだったならさ――』
 恥ずかしそうに頭を掻きながら、
『一緒に見に行こう』
 フードを深く被って表情は見えなかったが、あの人は笑っていた。
 言われたが返事を返す前に、辰ノ大花の社交員に不法侵入で捕らえられそうなり逃げられてしまった。
 彼に会ったのはそれが初めてで、それが最後だった。
 その日には辰ノ大花に日来の者達が来ていたので、あの人もその内の一人だったのかもしれない。
 だとすれば、会えないことは当然だ。
「救いに行く、か。こんな私でも、あの人は救いに来てくれるのだろうか……」
 救いを拒んだ自分を知ったなら、あの人はどのようなことを言うのだろうか。
 造花を眺め、あの人のことを想った。
 すると奏鳴の元に映画面|《モニター》が表示され、映るのは通信中という文字だけだ。
 聞こえてきた声は、神州瑞穂の主戦力の奥州四圏の更に主戦力。黄森の覇王会会長だ。
『ご機嫌如何かな、宇天長』
「何の用だ。解放の時間はまだ四時間も先だが」
『そう
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