ファントム・バレット編
Crimson Ammo.
死の弾丸
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ダメージエフェクトが迸る。
「ふうん。この距離からコレ避けんのか。やるな《死銃》」
「わお、《不可視の銃撃》。ギャレっちの御家芸じゃなかったけ?」
「さっき見て盗んだ」
「やるなぁ、にいちゃん」
緊張感の無い会話をしながらも鋭い眼光を叩きつける3人に死銃はバックステップで後退する。
「相変わらず、愉快な仲間を、集めるのが、上手いようだな」
「お褒めに預かり至極光栄。では、最後の役者で中休みと致しましょう。―――やれ、キリト」
その言葉と同時に両者の間に円筒の物体が投げ込まれ、直後に煙が巻き起こる。
「…………!」
ぐいっ、と持ち上げられ、煙が晴れない中、その場を離脱する。
「2人とも、すまない。後は任せた」
「おーけー!」
「心得た」
数秒後銃声が鳴り響き、ぴゅんぴゅんと流れ弾が飛んでくる。
シノンを抱えた人物、レイはまるでそれらが見えているかのように左右へかわしている。
スタジアムを抜け、メインストリートをしばらく走ると、道路の真ん中に巨大なバイクが鎮座していた。
「遅いぞ!」
「お前が俺から離れまくるのが悪い」
「うぐっ……」
バイクにはサイドカーが付いている。レイはそこにキリトを蹴り込むと、リアシートにシノンを座らせ、自分が操縦桿を握った。
その時、
「………ッ、キリト!振り抜け!!」
――バシュッ!!
突如レイが叫び、キリトが超反射で飛んできた弾丸を払う。
「しっかり掴まってろよ、シノン」
ドルンッ。
レイはいきなりフルスロットでバイクを発進させると、猛然と砂漠地帯に走り出した。
――逃げ……切れる……?
「……マジかよッ!」
そんな淡い希望はレイの毒づいた声に掻き消された。
遠ざかりつつある廃墟。
その合間から搭乗アイテムである、ロボホースを駆る幽鬼のようなあのぼろマント、《死銃》が見えた。
ただ、死銃は1人ではない。と言うより、手綱を操っているのは他のプレイヤーだった。
「アイツは……!!」
「どうした!?キリト」
「もう1人いる。多分、死銃の協力者……ラフコフの生き残りだ!!」
「なるほど……あの2人が易々と突破されるワケだ」
瞬間、レイは操縦桿を握ったまま腕力だけで逆立ちし、スルリと早業でキリトと操縦を代わる。
打ち合わせした様子もなく平然と『最速スピードで走りながらの運転手交替』という荒業をやってのけた2人は驚くシノンをそっちのけで、次の行動に移る。
キリトが前方に現れる障害物をかわすために右へ左へ車体を揺らすが、レイは驚異的なバランス感覚でサイドカーの上に直立した。
装備フィギアを素早く操作し、その右手に出現させたアサルトライフル―――コルトM4カービンを片手撃ちする。
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