ファントム・バレット編
Crimson Ammo.
死の弾丸
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マ!」
肩から飛び立ったユイはテーブルに着地すると、そのまま目を閉じて、ネットの中から情報を拾い出す作業を開始する。
「……じゃあ、みんな、ちょっとだけ待ってて!」
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Sideレイ
「……………」
あの後、治療キットでHPを回復させながら最大限急いでキリトの元へ走った。
が、
「やべぇ、帰りたくなって来た……」
ここまでフリーダムな護衛対象は今まで居なかった。多分。
まあ、このバカでかいフィールドで合流するのは難しい。
何より『動いてる』という事はつまり、《死銃》を追っている(もしくは逃げている)事になる。
《索敵》スキルの派生《追跡》を発動し、視界に足跡を表示する。足跡は3人分。
「……っと、ナルホドね。こりゃあ、不味いな」
やれやれ、と首を振りながら全速力で駆け出す。
(間に合ってくれ……)
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Sideシノン
キリトがスタジアムの廃墟に向かって走っていく。その細い背中が遠ざかるのを見つめながら、シノンは奇妙な感覚が生まれるのを自覚していた。それは、1人になる心細さ。
朝田詩乃が、シノンが心の奥底で恐れて、屈してしまっている孤独感……寂しさ……。
――そういえば、あれは何時の事だったろうか。
特に狩に出かける訳でもなく、何となくGGOに入って、人の出入りが激しい大衆酒場で飲み物をちびちびとやっていた時の事だった。
『ここ、空いてる?』
紅いマントを着た黒髪のプレイヤーが困ったように苦笑いしながら向かいの席を指していた。
周りを見ると、いくつかのスコードロンが席を占領していて、個人で席に居座っているのはシノンだけのようだった。
一瞬、席を立とうかとも考えたが、どう見ても下心の無い人にそれは失礼だ。
故にシノンは小さく頷き、了承の意思を示した。
しばらくして、気がつけばシノンは頬に微笑すら浮かべながらその人物と話していた。
銃の事や様々なスキルの組合わせ、戦略など。考えてみれば手の内を明かす行為ではあった。しかし、それを感じさせない、その人物はそんな人だった。
『寂しさは紛れたかな?』
その言葉を浴びねば、後でこんな考察を垂れる事も無かっただろう。呆気に取られ、硬直するシノンに謎めいた表情で微笑むと、その人物はその場から消えた。
カチッ、と脳内で音がしてハズルのピースが嵌まる。アイツだ。キリトの連れの拳銃使い。
数日前、ベヒモスとの戦闘の後、邂逅した。あれは2度目
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