第177話
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しないとだぜい。」
「アホかテメェは!!
機体の速度とか考えろ!
時速七〇〇〇キロオーバーで」
不満を並べな気が済まないと言った調子で、上条は引き剥がされないように必死に両手に力を込めながら文句を垂れる。
そこに悪魔のような、無慈悲な声が聞こえた。
「さっさと行け。」
「えっ・・・」
上条に向かってそれほど強くはないが蹴りが飛んできた。
蹴った犯人は麻生恭介である事を確認したと同時に、上条の身体は青空の元に投げ出され、絶叫が空に響き渡る。
「ぎゃああああああああああああああああああッ!!」
手足をばたつかせながら上条は下へ下へと落ちていく。
それを土御門と麻生は見つめながら。
「んじゃ、カミやんの事を頼むぜい。」
「やっぱりそうなるよな。」
「この身体じゃ、守り切れるか心配だしな。
一人の方が動きやすい。
連絡があったらこちらからかける。」
「まぁいいさ、あいつのお守りは慣れている。」
皮肉な言葉を残して、麻生は躊躇うことなく空へ身を投げ出す。
そのまま全身を使って能力を使わずに、風や空気抵抗を利用して上条の真上に移動し維持する。
リュックサックにはパラシュートが入っていて、一定の高度になると自動で開く設定になっている。
何とか無事に着陸は出来ると思ったが、地面に目を向けて、思わず顔が引きつった。
着陸するところは一〇〇メートル以上の川幅を誇るローヌ川のど真ん中だったからだ。
(あいつのお守りは何かと不幸が付きまとうな。)
つくづくそう思いながら、二人は川に着水した。
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