第177話
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言う領分を逸脱していた。
麻生の言葉を聞いて、少しだけ考えた土御門はそれでもいいか、と一言置いて話を続ける。
「キョウやんの言うとおり、簡潔に説明するぜい。
さっき言った通り、C文書の効力は『ローマ教皇の発言が全て「正しい情報」になる』。
ただ世界中の人間に効くのかと聞かれればそうでもなく、『ローマ正教にとっての「正しさ」なんてどうでも良い』と思っている人間や、『たとえ間違っていても俺は構わない』と思っている連中までは操れない。
けど、通じればローマ教皇がどんな無茶な発言をしても、何の根拠もなくそう信じてしまう。」
「C文書が作られた時代もかなり前。
権力者の威厳を保つために作られた霊装だろう。
威厳がガタつけば、それだけ国が荒れる。」
淡々とした口調でC文書について説明していく二人。
ある程度説明した所で、土御門は隣に座っている上条に視線を向けて。
「聞いているかにゃ、カミやん?」
「おごごごごごごごごごごごごごぶぶぶぶっ!!」
土御門の問いかけに、何も答えられない上条。
時速七〇〇〇キロ。
それが生み出す強大なGで、上条の内臓は思い切り圧迫され、まともに言葉を出せるような状況ではない。
逆に一度しか乗っていないのに、平然と喋る事ができる麻生が異常に見えて仕方がない。
「聞いているぽいから話を進めるぜい。」
「うぼが!」
「返事が気持ち悪すぎるだろ。」
麻生の感想に一言文句を言いたかったが、今はGに耐えるので精一杯だ。
「ローマ正教はこれを使って、『学園都市は敵だ』とか情報を『正しい』ものだと信じさせようとした。
だが、学園都市はあまりにも世界に名が知れ渡っている。
良い意味でも悪い意味でも。
結果、人々の先入観と霊装の力がぶつかり合い、不安定なデモが発生したんだ。」
「C文書は万能の霊装に聞こえるかもしれないが、欠点もあるぜい。
一度『正しい』と設定した事柄は。同じC文書を使っても消すのは難しい。
誰にでも扱えるわけではないし、場所だって特定されるにゃー。
本来ならバチカンの中心部に据え置き、地脈を使って、一気に世界中へ命令を飛ばすって訳だ。」
二人の口から説明される情報を聞いて、上条は疑問に思った事を必死になって口にする。
「なっ、何故、フランス?
C文書は、バチカンじゃ、ないと、使えない、んじゃ・・・」
「ん? そうそう、それはだな。」
「そ、それに、解除できない、のなら、俺達が動いても意味が、ないんじゃあ・・・・」
「ええとだにゃー、それを説明するにはどっから話せば良いんだっけ?」
土御門が言いかけた時、機内のスピーカーと柔らかい電子音が聞こえてきた。
さらに続けて、合成音声のように
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