第二話
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代償は大きかったのか、自分たちの力不足と判断力のなさを実感し、各々反省していた。
特に俊司に協力を求めた文はひどく落ち込んでいた。椛曰く「文さんが落ち込むのはめずらしいですが、すぐに元にもどりますよ」と言っていたが、実際にその翌日、文はすっかり元気を取り戻し情報の整理と、判断力を身につけるための特訓を行っていた。
そんな状況のなか、半人半霊の庭師は早朝から修業に励んでいた。
「はっ!せいっ!!てやっ!」
一振り一振り入念に行っていく妖夢。
俊司が捕まって以来、やっぱり自分は力不足だと言って修業を行っていた。あの状況で何もできなかった自分を悔み、それをすべて修業にぶつけていた。
そのためか、大した成果は見られなかった。
「ふう……さて、休憩しますか俊司さ……あ……」
妖夢は背後を振り返るが、最近までいた少年の姿はどこにもない。
軽く溜息を吐きながら再び気合いを入れると、妖夢は再び剣を握った。
「癖って怖いわね〜」
「うわっ!?」
突然背後から声をかけられ驚いたのか、妖夢は体を震わせながら剣を落とした。
「なっ……なんだ……幽々子様でしたか」
「なんだとは失礼ね妖夢。心配になったから見に来てあげたのよ?」
「心配って……」
「ずいぶんと思い詰めてるみたいね?」
「……」
「言わなくても分かるわよ?あなたの太刀筋はあの子がいたときと全然違う。今のままじゃ何もできないわよ?」
図星だった。
妖夢にも今の自分は全くダメになっていることは気付いていた。もちろん、俊司がいなくなったことだけでなく、なにもできない自分にいらだちを覚えていたからだ。
だが、何をしても直ることはなく、途方にくれていた。
「まったく……それでも私の剣術指南役なのかしらぁ〜?」
「すいません……」
謝る妖夢をちらっとみた幽々子は、なぜか笑みを浮かべていた。
「で? いつ頃からなの?」
「……は?」
「だから、いつごろから俊司君が好きになったの」
「え……あ……ふぇ!?」
予想外の質問を受けて妖夢はへんな声を漏らしていた。
「なななっ何を言ってるんですか!?」
「とぼけても無駄よ〜? あなた普段あの子と一緒にいるとき、どことなく嬉しそうな顔をしてるじゃない?」
「そっそんなこと……」
「それに特訓してほしいって言われた時、ものすごくうれしそうにしてたわよね〜?」
「それは……そうですが……」
徐々に顔を赤くしていく妖夢。そんな彼女を面白そうにみる幽々子は、そのまま確信の一言をついた。
「あの子に会う時、無意識に自分の身なりを気にし
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