Moscape
その1
相棒
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モス川は走っていた。奴らに追いつかれないように必死に走っていた。
彼女はある仕事をやっている。表では「何でも屋」ということになっている。だが真の姿は「賞金稼ぎ」だ。
仕事内容は依頼を受けてそれを実行するというものだ。
そう、そして今回の依頼は「ある物を運んでほしい」というものだった。
奴らが追ってこないことを確認してモス川は足を止める。
「このチップを運ぶだけでまさかこんなことになるなんて...」
こんな小さな物を運ぶだけでまさかここまで苦労するとは
「仕方ないですよ。僕だって簡単な仕事だって思ってましたから。」
笑顔で語りかけて来た彼の名は「ジョーカー」(私は敬意をこめてジョーカー"さん"と呼んでいる)
ジョーカーさんは長い間、私の相棒。信頼できる存在だ。
「え?そうですかね?ははは」
私は笑顔で返した。
「僕らを襲ってきたのは恐らく、何者かの刺客だと思います。彼らを指示している何者がいると考えられます」
「刺客が襲ってくるということはこのチップはよほどの物なんですかね?」
「そういうことになりますね...」
中身を見てみたいが見てはいけない。そう思った。理由はないが自分の直感だ。
「とりあえず少しここで休みましょう。さすがにここはそう簡単に見つからないと思います」
ずいぶん入り組んだ道に入った。彼の言うように奴らが追いつくには時間がかかりそうだ。
「よーーーーーし!じゃ、一休みしましょー!」
ジョーカーさんもあれだけ走ったからきっと疲れているだろう。それに自分も疲れている。
「ククク...ならば、そこで永久に休んで貰おうか」
声が聞こえた。"奴ら"だ。
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