第二十六話 最後、全力
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ガ攻撃ヲ前ニシテ考エ事カ!』
策を考えている間に、ほんのわずか隙ができる。
その隙を見逃さず怒涛の攻撃を繰り出してくる機械王。
それを確実にセイクリッドディフェンダーではじき返していく。
ただ、防御が精いっぱいで攻撃する隙がない。
だがそれでも、わずかに残った思考の片隅で策を考えていく。
あの防御を貫くのに必要なのは恐らく全力のディバインバスター。
先ほど腕を消し飛ばしたのと同等以上の攻撃力なら、確実に防御を貫ける。
ただ、問題なのはそれだけの威力を放つのに必要なチャージタイム。
ある程度の威力でいいのなら一秒もあれば、ディバインバスターを繰り出すことも可能であるが、あれほどの威力ならば最低でも五秒。できればもっと時間が欲しい。
それだけの時間を稼げる策はなにかないだろうか。
誠也は必死で考える。
『イツマデ我ガ攻撃ヲカワシ続ケテイラレルカナ!?』
突き出される右腕を避け、蹴りだされる左足を防御する。
ひたすらに繰り出される数多の攻撃を捌き続け、その果てに一つの策にたどり着く。
この一つの策が恐らく現段階で思いつく必倒の策だろう。
ならばすぐさま試すしかない。
『ヌッ!?』
機械王の攻撃を大きく飛びのいてかわす。
今までは短い回避距離をとり続けていたので、急に大きく距離をとったことに驚く機械王。
しかし、驚いたのも束の間、誠也はすぐさま接近する。
『小賢シイ!!』
機械王は右拳を誠也に向かって凄まじい速度で突き出す。
それを誠也は右に跳ぶことで回避する。
そして、相手に攻撃の隙を与えないように着地と同時にすぐさま接近する。
向かうのは踏み込んだ際に前に出た左足。
高速で左足に近づきながら、両手に魔力を込め、そしてある五つの地点に魔法を設置する。
それこそが勝利への布石。
そして左足の前にたどり着く。
この間の時間はわずかにして0.5秒。
機械王ほどの巨躯ではすぐに右腕を戻すことができず、未だ突き出した体勢のままだ。
つまり、機械王の重心はほぼ全て左足によって支えられている。
これが成功するか否か。
それが誠也の策の成功のカギだった。
「ディバイン――」
両手に込めた魔力を砲撃の形にすぐさま整える。
はっきり言ってしまえばこの程度の魔力では、防御を貫くことなどできないだろう。
誠也もそれをはっきり分かっていたし、機械王だってそのことは確信している。
ただ、誠也の狙いはそこじゃない。
防御を貫く必要などない。
左足を弾くことができれば十分なのだ。
誠也は両腕を一気に突き出す。
「バスタ―――!!!」
桜色の砲撃は左足へと直撃する。
そして、その左足は砲撃の威力によって後ろへと弾かれる。
このことから導かれる答えは――
『ヌオオオッ!!!!』
転倒。
左足が後ろへ弾かれ
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