第72話 =現実のひと時=
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2人ってどうするの?」
サラダを口に運ぼうとした直葉はきゅうにそんな事を聞いてきた。
「うーん…午前中は特に用事ないからユカのお見舞いに行こっかなって考えてるけど………和人は?」
「俺も、アスナのいる病院へ行こうと思ってる……これくらいしか出来ないからな」
「……そっか」
話の内容が朝にはふさわしくないちょっと暗いものだったためか静けさがあたりに満ちる。さすがに耐え切れないのでいき過ぎかもしれないけど口を開こう。
「あのさ、直葉も一緒に来ればどう?」
「え…?…い、いいの…?」
「もちろんだって、な」
「陸也の言うとおりだ、アスナもきっと喜ぶよ」
俺と和人の言葉に直葉もこくりと笑みを浮かべて頷いたが、その表情はなにか浮かない…というか微妙な影のようなものが現れているのを見逃せなかった。だが、それもすぐに消え去りさっき運ぼうとしたサラダを改めて口に入れる。
「ふぉういふぇば……」
「食べながら話すなよ、スグ…」
「エヘヘ……お兄ちゃんたちって学校どうするの…?」
直葉は照れ笑いを浮かべながら最もな疑問を聞いた。言われてみれば和人は義務教育中の中学2年でSAOに囚われてそこから約2年で普通なら今は高校1年で先生に「後輩が入ってくる云々」とかいわれる時期だ(作者が先生に実際に言われたらしい)。
俺も今まさに大学入試シーズン…というかセンターがついこの間終わったばかりだがもちろんそんなもの受けてないし今から受けようにも無理があるだろう。
「ええっとな……確か都立高の統廃合で開いた校舎を利用してSAOから帰還した中高生向けの臨時学校みたいなのを作るとか言ってたな…。入試無しで受け入れて、卒業したら大学受験資格もくれるらしい」
そういえばあのメガネの公務員が言ってたな、そんなこと。
「……なんかそれ、十把ひとからげに対応しすぎな感じが……」
「多分、それが狙いだよ。心とかに影響を受けやすい年齢にデスゲームに参加してた俺たちだからどんな影響を受けてるのかが心配なんだと思うよ、政府の皆さんは。ばらばらよりか面倒見るからってことで一箇所に集めた方が安心だし効率もいいと思うし」
俺の言葉に直葉はくしゃりと顔をゆがめるので慌てて和人が付け加えてくれた。
「でも、管理云々はさておいても、セーフティネット的な対応をしてくれるのは有り難いよ。たとえば、俺が今から普通に高校受験しようと思ったら今年1年予備校なりで勉強し直さないといけないしさ。もちろん、臨時学校も強制収用じゃないから実力で受験する選択肢もあるにはあるだろうけど…」
「そうしても大丈夫だよ!お兄ちゃん成績いいんだしさ!」
「いや、さすがに無理があるよ…それは。和人なんて丸々二年
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