第3話 やはり彼らの戦いは間違っている。
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とそこでジッとしてて下さい。―――雷鳴の馬車 糸車の間隙 光もて此を六に別つ。 縛道の六十一“六杖光牢”」
直後、六つの帯状の光が、シグナムの胴を囲うように突き刺さる。
「なっ―――!?」
即座に解こうとするが、シグナムの腕力では解けない。
「な、なんだこのバインドは…!?」
「バインドじゃなくて縛道っていうんだけど。まぁ、ミッドでもなければベルカでもない術式だから解くには数分は必要な筈。ま、それまでには終わらせるけどねー」
「なっ、お前!待て!!」
しかし、レイはシグナムの制止を完全に無視し、化物に突っ込む。
「さてと。お手並み拝見といこうじゃん」
ニヤリと好戦的な笑みを浮かべ、右手を前にかざす。
「―――破道の三十三“蒼火墜”」
ドオオン!!!
蒼い爆炎が化物の頭部を包み込む。
一目みてもかなりの威力だというのは分かる。が―――。
「■■■■■■■■■■■■■■■■■■!!!!」
多少の焦げ跡はあるが、大したダメージは負ってはいない。
それ自体は、レイも分かっていたのか、特に驚きはない。
「やっぱ中級鬼道でしかも詠唱破棄で撃っても大したダメージにはならないか」
そう呟き、レイは腰に差してある刀―――斬魄刀を抜く。
「ま、リクにも長引かせるなって言われてるしな。―――だから…これで終わりだ」
言いながら、レイは斬魄刀を縦にし、胸の前に持ってくる。
そして―――言い放つ。
「散れ―――“千本桜”」
レイの斬魄刀の刀身が消える。いや、正確には刃が無数に分裂したというべきか。そして、分裂した刃は光の反射を受け、まるで散りゆく桜の花弁を想起させる。
「死ね」
ズババババッ!!
巨大な化物の頭部が、無数の斬撃によって切り裂かれる。しかしそれで終わりではない。レイは何度も、何度も、何度も、千本桜で化物を切り刻む。
そして遂に、化物はその身体を粒子状に散らした。
既にレイの斬魄刀も元に戻っている。
レイはクルリと背後を振り返り、未だ“六杖光牢”から抜け出せていないシグナムを解いた。
シグナムは、レイの凄まじい力を見たせいか、半ば茫然としている。
「お前…その力…」
しかし、シグナムには目の前の青年が使った力に似た物をどこかで見た感じがしていた。しかし、それがどこかは全くと言って良いほど思い出せないのだが、それでも微かな懐かしさのようなものを感じるのである。
「ね、言ったでしょ。俺一人で楽勝だって」
そんなシグナムの気持ちなど分かる筈もないレイは、軽薄そうにニヤリと笑った。
◆
ヴィータは今までにない完全なる混乱にいた。
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