カフェでの出来ごとですよ?
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従順に動いてくれるのかしら?」
「各コミュニティから、数人ずつ子供を人質に取ってある」
ジン君が持って来た情報と同じ内容だ。それが本人の口から出た事で、私達は眉をひそめる。
「……そう。ますます外道ね。それで、その子供達は何処に幽閉されてるの?」
「もう、殺した」
その場の空気が一瞬にして凍りついた。ウェイトレスも店内でこちらを見ていた人達がだ。私達はジン君から聞いていたから大丈夫だけど。
そんな中、ガルドひとりだけ飛鳥の命令のまま言葉を紡ぎ続けている。
「初めてガキ共を連れてきた日、泣き声が頭にきて思わず殺した。それ以降は自重しようと思ったが、父が恋しい母が愛しいと泣くのでやっぱりイライラして殺した。それ以降、連れてきたガキは全部まとめてその日のうちに始末することにした。けど、身内のコミュニティの人間を殺せば組織に亀裂が入る。始末したガキの遺体は証拠が残らないように腹心の部下が食──」
「黙れっ!」
ガチン、とガルドの口が勢いよく閉ざされた。
「素晴らしいわ。ここまで絵に描いたような外道とは早々出会えなくてよ。流石は人外魔境の箱庭の世界といったところかしら? ねえ、ジン君、私達が聞いた事では違法行為なのだけど、そのへんはどうなの?」
「い、いえ……彼のような悪党は箱庭でも早々いませんし、もちろん違法行為です」
飛鳥の冷たい言葉にジンが慌てて否定する。
「そう? それはそれで残念。ところで、今の証言で箱庭の法がこの外道を裁くことはできるのかしら?」
「厳しいです。吸収したコミュニティから人質を取ったり、身内の仲間を殺すのはもちろん違法ではありますが……裁かれるまでに彼が箱庭の外に逃げ出してしまえばそれまでです」
コミュニティのリーダーであるガルドが去れば烏合の衆でしかないフォレス・ガロが瓦解するのは目に見えているけど、どうしようかな?
「そう。それなら仕方ないわ」
しかし、飛鳥はそれで満足できないのか。苛立たしげに指をパチンと鳴らした。すると、ガルドを縛り付けていた力が一気に消え、ガルドの体が自由になった。
「こ……この小娘がああぁぁぁぁ!!」
怒りと共に咆哮を上げ、ガルドの体に変化がおとずれた。巨躯を包むタキシードが膨張する体を抑えきれずに弾け、体毛が変色して黒と黄色のストライプ模様が浮かび上がる。ワータイガーか…………こんな人じゃなかったら友達になりたかったんだけどな。取りあえず、飛鳥に殴rかかって来たので取り押さえる。
「テメェ、どういうつもりか知らねえが……俺の上に誰がいるかわかってんだろうなぁ!? 箱庭666外門を守る魔王が俺の後見人だぞ! 俺に喧嘩を売るってことはその魔王にも喧嘩を売るってことだ! その意味が──」
「「上等
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