暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
ALO
〜妖精郷と魔法の歌劇〜
血色の少年
[4/4]

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話
たのは、とんでもなく馬鹿でかい狼だ。今まで何故気付かなかったのかと疑うくらいに大きい。

その理由は、闇に溶け込むかのような艶やかなツヤのある漆黒のその狼の毛色だ。爛々と光る両眼が二つ、灼熱したように紅い。

フシュー、とジェット噴射のような鼻息がこっちまで届いてくる。そこまで見て、ようやくリーファは視認した。

その尋常でなくでかい黒狼の脇に立つ、長身の女性。

一言で言えば、変な格好だった。

その服装は、神社で見かけるような真っ白な白衣と緋袴。まぁようするに、俗に言う巫女服という奴だ。そして、あまりに非日常過ぎるので返って気が付かなかったが、腰のところに一メートル半は余裕でありそうな馬鹿長い長刀をぶっ刺している。

肌は、闇妖精(インプ)の特徴である、影部分が紫がかった乳白色。長く伸びたツヤのある漆黒の髪は、後頭部で一纏めにしてある。

「終わりましたか」

突然、その女性が声を発した。

心の奥まで響いてくるような、凛とした涼やかな声だ。

レンと名乗った少年は小さく頷き、次いでこちらに顔を向けてくる。

「紹介するよ。こっちはカグラ、それからでっかい方は僕の使い魔、《クー》だよ」

レンの声とともに、カグラという女性は静かに頭を下げてきた。慌ててリーファとキリトも頭を下げるが、上げた頃には自分達の紹介も終わっていた。

カグラというその女性はつっとリーファに視線を向けてくる。

「解かりました。そういう事なら、ありがたくご好意に預かりましょう。ちょうど都合もいいですし」

都合?とリーファが首を傾げる間もなく二人はそんな感じで決定したようだ。まだ首をかしげているリーファに目配せをしてくる。

いまだに引っ掛かる所はあるものの、とりあえずリーファはそれらを横に置いといて言った。

「じゃあ、スイルベーンまで飛ぶよ。そろそろ賑やかになってくる時間だわ」

ウインドウをちらりと確認すると、リアル時間は午後四時になったところだった。まだもう少し潜っていられる。

リーファは、飛翔力がかなり回復し、輝きの戻った翅を広げて軽く震わせた。
[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ