第四話 Euro of Coup and She Also
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を差し込み、もう一度押す。すると扉の向こうのサーバールームに、所狭しと詰め込まれたEDENが起動する。アスカはそれを確認すると、二階のモニタールームに移った。
モニタールームは八畳ほど正方形で、正面、左右、そして上に計七枚のモニターが設置されている。普通のパソコンの様にOSの画面が開きデスクトップにはアイコンが並ぶが、そこにあるほとんどのソフトウェアが、母親が作ったか彼女自身が自作した特殊なソフトウェアだ。そしてその全てのソフトの目的は、一瞬で、そして気付かれずにEURO支部のMAGIをハッキングする事だ。
彼女はそのうちの一つを起動させた。起動してパスワードを入力すると、作業状況の進捗状況、という小さなタブが出てくる。作業が指し示す行為は言うまでもないだろう。
タブにあるグラフは、ものの十秒で左端に到達する。そして画面が切り替わり、大量の項目の並ぶ図へと成る。上部にある検索語句入力部分に『エヴァンゲリオン 建造 八号機』と入力すると、EDENがMAGIから読み取った情報が絞り込まれ、数百件にまで減る。後はこれを一つ一つ確認していくだけだ。
徹夜の作業になりそうだったが、アスカは学校の宿題をやるようにその作業を行い始めた。
時間軸は現在に戻る──
シャワーを済ませ、腰まである長い髪を丁寧に拭きながら、アスカはその時知った情報を思い出しながら今回の事柄について考え始めた。
なぜNERVはその存在意義ともいえるエヴァの接収に応じたのか。何故だ──。
今回の接収には、七号機と八号機も含まれている。何が狙いだ──。
EURO軍はエヴァを使って何をする気だ──。
再びプラグスーツに身を包んだ彼女は待機任務へと就く。雪に覆われた白い地面の中、カモフラージュの為臨時で白色に塗装された見慣れないエヴァ2号機が、膝をついてしゃがんでいる。
計画中の七号機・八号機は未竣工の為、今は彼女の2号機一機だけで戦線を維持していた。彼女の面前にそびえるウラル山脈の向こうには、ロシア軍の支援を受けた大統領親衛隊がいるという不穏な噂が流れている。
「ロシア軍がこのエヴァ2号機に盾突いてくるとは思えないけど…」
冷静な見立てを口にする彼女だが、内心不安もあった。ここのところ、EUROとロシアは関係が良くなかった。もし最新鋭の通常兵器を備えるロシア軍が本気で侵攻してくれば…。
「まぁ、何とかなるでしょ…」
シンクロスタート前の、暗いプラグ内を口から気泡がいくつか昇って行った。
前世と同じようにミサトの家に居候する事になったシンジだったが、ミサトは緊急招集がかかって、彼を家に案内する間もなく本部の会議室へと向かった。
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