黄巾の章
第1話 「しゅ、しゅみましぇん! あう……かんじゃった」
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う呼べる日を楽しみにしておきましょう」
そういって、星ちゃんは城門に戻ろうとして振り返る。
でも、すぐにまたこちらを見て。
「それまで盾二殿を頼むぞ、愛紗、鈴々。そして桃香殿……お元気で」
「ああ、お主もな」
「鈴々にまかせておくのだ!」
「星ちゃん! 元気でね!」
そういって星ちゃんは、城へと戻っていったのでした。
―― 盾二 side ――
うあー、うあー、怖かった……
桃香と愛紗の目がホラー映画さながらの瞳孔開きまくって、白い目の部分が黒になって、黒目の部分が血の色になったような錯覚を覚えたよ。
なぜだ、ヤンデレとか変な言葉が脳裏に浮かんだんだが……俺、そういう経験、まったくないんだが。
いや、女性経験はあるよ?
傭兵部隊でも十かそこらで隊の女性におもちゃにされたり、アーカムで勉強中に先輩にいろいろと……ってどうでもいい。
ともかく、そういうことはあっても自分が焼きもちの対象ってのは、まずなかった。
しかし……怖いね。
初めてだよ、ああいう寒気は。
下手すると戦場のほうが、気が楽だ。
AMスーツなしでスプリガン全員と戦え、といわれたほうがマシかもしれない。
成す術無しってのはこういうの言うのだろうな……これは自分が体験しなきゃわからんわ。
まあともかく、星が城に帰って後、最初の問題に戻ったわけだが。
「さ、さて……これからのことだけど」
そう俺が言ったときだった。
「しゅ、しゅみましぇん! あう……かんじゃった」
な、なんだ、今の気の抜ける言葉は。
「あれ? だあれ?」
「む? だれもおらんぞ?」
桃香と愛紗がきょろきょろと周囲を見回す。
……君ら、もしかしてまだ怒ってる?
それで新しい女性が視界に入らなくなっている、とか言うんじゃないよね?
「どこ見てるんだよ、愛紗、桃香。こっちこっち」
「そうなのだ、チビをバカにするのは許せないのだ!」
鈴々が怒る。
何故ならその相手は、俺と鈴々の目の前にいたからだ。
「こ、こにちゅわ!」
「あう、ちわ、です」
そこにはベレー帽をかぶった甘栗色の髪の女の子と、魔女のような帽子で透き通るような藍色の髪を隠す女の子が立っていた。
「えーと……君らは?」
「は、はい、私はしょしょしょしょ……」
「しょしょしょ? へんな名前なのだ」
「鈴々、茶化さない」
鈴々を嗜めつつ、名乗るのを待つ。
「しゅりちゃん、落ち着いて」
「う、うん。頑張るよ、私!」
「ふぁいと」
……漫才?
「わ、わたしは……しょか、諸葛孔明でしゅ!」
「あわ、わ、わたしわ、ほ、ほうほう、ほうと
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