黄巾の章
第1話 「しゅ、しゅみましぇん! あう……かんじゃった」
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「お兄ちゃん、お姉ちゃん! 星がきたのだ!」
「え、星ちゃんが?」
城門を見ると、星ちゃんがこちらに向かってくる。
「どうやら見送りに間に合ったようだな」
「わざわざ見送りにきてくれたのか……ありがとう」
「なに。私が認め、真名を預けたお主らだ。見送りぐらいはな」
「そっちも出陣準備で大変でしょうに……」
「ふふ、愛紗よ。気を使うな。こういうときは素直に喜んでおくものだ」
「星はかわらぬな」
愛紗ちゃんが苦笑して、星ちゃんが笑う。
なんかもう、親友って感じだ。
「星、いろいろと便宜を図ってくれたこと、本当に感謝しているよ」
「盾二殿、そんなに畏まられてはこちらが恐縮してしまう……本当に気にせんで下され」
むむ、なんか星チャンノ顔ガアカイキガスルノデ・ス・ガ
「……!? 桃香?」
「? なに?」
「いや……なんか視線が怖いんだが、俺の気のせい?」
「えー、きのせいだよぉ」
「……そうだね。(ぼそっ)気にしたら負けだな」
何か言ったカナー?
「んん、で、だ。星、もしこの乱が終わって……白蓮の下から離れるようなことがあったら、うちに来る気はないかな?」
「盾二殿?」
「いや、ほら……星のような武人がいてくれれば俺も桃香も心強い。何より君は機転が利くしね。まあ、すぐってわけにもいかないだろうけど」
そういってぽりぽりと頬を掻く盾二さん。
「まあ、それもこの黄巾党の乱が終わってから、俺たちが拠点を持ったとき――その時、改めて君に尋ねてみようと思う。今は心の隅にでも留めておいてくれないかな」
「ふふ、なるほど……まずは甲斐性を見せてから、というわけです、か?(ぽっ)」
「その……『まるで結婚を申し込んでいるようですね』って言う意味を含めた語彙をやめてくれるととても嬉しいのでなにかな桃香に愛紗! その瞳孔が開いた目はこわいからやめてくださいっ!?」
ヘーほーふーん
「そういう意味じゃなくて……いやあながち間違ってはいなくはなくてですね、桃香さん。いや、今は星に言ってるんであってだから武器掲げるのはやめてくれるとうれしいな愛紗ぁ!」
「なんかごちゃごちゃしてるのだ」
うん、そうだね、意味が通ってないよね、鈴々ちゃん。
おかしいなぁ、どうしたんだろうね、盾二さん。いえ、ゴシュジンサ・マ!
「うう……目が怖い。ともかく! お互い頑張ろうね、星!」
「くっ……はっはっはっはっは! いえ、失礼。くくっ……はい、わかりました。いつか迎えにきてくださいね、じゅん……いえ、ご主人様」
「ヤメテー! これ以上ご主人様はヤメテー! 普通に盾二殿でいいから! マジで勘弁して!」
「くくっ……そうですね。『まだ』ご主人様は早いですね。では、いつかそ
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