黄巾の章
第1話 「しゅ、しゅみましぇん! あう……かんじゃった」
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「それにこの乱のことを知って、街の功名心あふれた者どもが統制なしに暴れるよりも、盾二殿たちに連れて行ってもらったほうが一挙両得。まさに渡りに船、ではありませぬか」
「む、むう……」
「と、面倒ごとを押し付けるようで悪いのだが……盾二殿はどう思われますかな?」
「え、俺!?」
振られる先は桃香と思っていたんだが。
目線を桃香に移すと、神妙な顔で頷いている。
「あー……まあ、そういうことなら任せてくれ。荒くれ者が増えて街や邑で暴れるなんてのは人心にも良くないし……俺たち、そういう相手は慣れているしな」
「だ、そうですぞ、伯珪殿。ここは、人心安定のため、そしてご友人への餞別として贈って差し上げましょう。いかがですかな?」
「……まあ、そういうことなら」
渋々、本当に渋々だが頷く白蓮。
「わかった。感謝するよ、白蓮。桃香、愛紗。手配を頼む」
「まっかせて〜♪」
「御意」
「資金繰りや糧食は……街から融資でも集めるか」
街での桃香人気はすごいものがある。
その桃香が義勇軍を率いて民のために戦うとなれば、きっと資金を集められるだろう。
「まてまて。それぐらいは私が出すよ……」
白蓮が毒喰らわば皿まで、といった風に提案してくる。
「糧食と武器ぐらいは出そう……まあ、桃香の門出だしな」
「ありがとう、白蓮ちゃん!」
「助かる。いつかこの借りは倍返しで返すよ」
「ふふっ……まあ期待しておくさ。なにしろ盾二は武も政務も一級品だったしな」
「ああ、期待してくれ……ああ、そうだ。もし華佗から連絡があったら……」
「わかってる。ちゃんと連絡を出すさ。お前達もできるだけどこにいるか連絡をくれよ?」
「もちろんだ」
こうして俺たちは、独立することになる――
―― 劉備 side 北平城門 ――
あれから七日。
近くの街や邑から義勇兵を募ると、愛紗ちゃんや鈴々ちゃん、そして盾二さんの名声に集まった数、およそ六千。
さすがに白蓮ちゃんが青い顔して引き攣っていたけど……星ちゃんが宥めていたみたい。
それでも言ったとおり六千の武器と一か月分の糧食を提供してくれた。
ほんとに白蓮ちゃんには感謝しても、し足りないぐらい。
あと、軍資金は盾二さんがどこからか調達してきた。
私はまたアレをやったのかと思ったけど、違うらしい。
なぜか私のおかげで融資を受けられた、とのこと。どういうことだろう?
「それだけ桃香の徳があるってことさ」
そういって盾二さんは笑っていた。
「さて、これからどうしますか?」
「そうだな……」
愛紗ちゃんが今後の行動について盾二さんに尋ねている。
すると――
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