第百四十九話 銀河帝国歌劇団
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帝国暦485年1月10日
■オーディン ローエングラム大公記念劇場 エルネスト・メックリンガー
私を胡散臭そうに見る大勢の貴族の前で、壇上に上がりレイトマイエル氏と共にテレーゼ殿下より賞された。貴族との付き合いの多いレイトマイエル氏は全く動じることもなく堂々としていたが、私はそうは行かずに肝を冷やした。
そんな中、帝国騎士であり国土尚書シルヴァーベルヒ氏は相変わらずの無精髭とぼさぼさの髪のままで参加し国土次官グレック氏が脂汗をかきながらあたふたしていたのが印象的であった。
その後のこけら落としは、ヴァイマル宮廷劇団によるローエングリンであったが、非常素晴らしく良い席で観覧させて頂き殿下には大変感謝している。
貴族へのこけら落としが終わった後、午後からテレーゼ殿下御自らが作り上げた帝国歌劇団のお披露目が関係者とテレーゼ殿下のご友人、我々のような軍人、その家族などが会場へと招待された。
先ほどのローエングリンと違い今回は歌謡がメインであり、殿下が作詞作曲し私が編曲した歌を歌劇団の団員が歌うという方法がとられるそうだ、かく言う私も関係者として挨拶をするはめになった。
「帝国歌劇団、総監督マリア・マナリーナと申します。この度は私達帝国歌劇団GIO48(銀河帝国歌劇団 Galaktische Imperium Operngesellschaft)の発足式にご参加ありがとうございます。皇女殿下のご配慮に感謝致します」
歌劇団の総監督に任命されたマナリーナ女史が会場に挨拶をしていく、ミッターマイヤー提督の様な蜂蜜色の髪をした男装が似合う凛々しい人物だと思う。
「さて、私達GIO48の総合プロデューサーであり音楽を作成してくれた方を紹介します。エルネスト・メックリンガー提督です」
私の番だ、拍手と共に壇上へと向かわなければならない、本来であれば殿下がこの壇上へ上がらねばならないのであろうが、流石に殿下御自らが、歌謡曲を作成したと知られた場合の門閥貴族の口撃を躱すために私が全ての曲を作成した事になったのだ。
壇上に上がると会場から拍手があがるが、貴賓室の殿下が一番大きなアクションで拍手しているのは、何やら複雑な心境だ。
マナリーナ女史がマイクを私に渡してきた。
「エルネスト・メックリンガーです。この度はGIO48の総合プロデューサーとしてご挨拶を致します」
私の姿を見てにやにや笑うのはワーレンか、その横ではルッツまで笑いをこらえようとしているのが分かる。
「メックリンガー総合プロデューサーは、私達GIO48の全ての曲を作詞作曲して頂きました」
マナリーナ女史がまた要らんことを観客に伝えると、いっそう拍手が大きくなった。何という羞恥ゲームなんだ。殿下を恨めしく思ってしまいますぞ。
「
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