第12話
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試合当日、私はレーティングゲーム開始10分前に部室に顔を見せに行った。そこにはいつも通り制服に身を包んだオカルト研究会のメンバーが揃っている。
「双葉!?貴方、一体今まで何をしていたの!!」
私に気付いた部長が開口一番にそう怒鳴ってくる。
「私は私でやらなければならない事がありましてね。それよりもイッセー、何故解毒剤を飲まないのだ?」
「飲んだ初日に暴れて零しちまったんだよ」
なるほど、その現場を想像するのは容易いな。
「ほら、解毒剤だ」
イッセーに向かって解毒剤を投げ渡すと、それを普通にキャッチして口に流し込む。
「うっ、眩しい」
「十日ぶりになるからな。少しずつ慣らしていけば大丈夫だ。それにしても私の予想以上に逞しくなったのだな、イッセー」
解毒剤を飲むと同時に五感に使っていた小宇宙が少しだけ外に漏れ、イッセーの背後に銀河を幻想させる。それに、この感じは
「セブンセンシズどころかエイトセンシズまでも目覚めたか」
「エイトセンシズ?何だそれは」
「何、エイトセンシズに目覚める事で特殊な場所に行ける様になっただけだ」
「あら?確かエイトセンシズって確か冥界に行ける様になる物よね」
「そうです。悪魔領である冥界ではなく、真の死の世界である冥界の事です。まあ、今は関係ないです。目覚めたからと言って小宇宙が上がる訳でもないので」
冥王ハーデスを倒しに行く事を決意しない限りは無駄な能力でもある。
「さて、そろそろ私が此所に来た本題に入るとしましょうか。イッセー、貴方にはもう教える事はありません。これからは自分の思いでその力を使っていきなさい。そして弟子を卒業する証としてこれを授けます」
異空間から取り出すのはこの10日間で完成した鋼鉄聖衣とそれを収納するパンドラボックス。
「これは、聖衣。まさか誰かから奪ったのか」
「いいや、開けてみれば分かる」
私の言葉にイッセーがパンドラボックスを勢い良く開ける。中に納められている聖衣の色は鋼色を主体に金色で飾り付けられた左腕だけが存在していない。
「鋼鉄聖衣。過去に聖闘士を補佐する者に与えられていた聖衣の模倣品だ。模倣品とは言え、聖衣の様に小宇宙増幅の機能もあれば小宇宙による強化も可能な代物だ」
「左腕だけ無いのは何でなんだ?」
「お前にはいらないだろう。幻朧魔皇拳!!」
イッセーに施しておいた記憶の封印を解き放つ。
「っつ、ドライグ!?無事か」
「あの修行にドライグは邪魔になるのでな、お前の無意識を操らせてもらっていた。それを今解除した」
「じゃあ、この左腕が無いのは赤龍帝の篭手を装備する事を考えてなのか」
「当たり前だ。その為に聖衣のデザインも調整
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