第12話
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。現状のままなら私一人で十分対処出来る状況。ただ、何か大きな事が起これば」
「そうか。今日はその言葉を聞けただけで良しとする事にしよう。ここからは私事になるのだが構わないかい?」
「まあ、時間が許す限りなら」
「ありがとう。話なんだけど、以前リアスに対価として渡したワイン。アレを分けて貰いたいのだよ。もちろん対価は充分に用意している」
「先に対価の方を聞いても?」
「こちらは37年産のガープ領のワインと42年産のダンタリオン領のワイン、そして近年で最も高い評価を受けている44年産のパイモン領のワイン。この三本で一本を譲ってもらいたい」
悪魔が作ったワインか。もの凄く気になる。しかも周りがかなり驚いて自分にも飲ませろと言っている。かなり貴重な物らしいな。悪魔は契約には誠実だ。騙している訳では無いようだ。
「良いでしょう。私もそちらの三本が気になるので。今、手元にありますか」
「ああ、もちろんさ。グレイフィア」
「こちらになります」
此所に転移してきてからサーゼクスの後ろに控えていたグレイフィアが木箱のケースを三つ差し出してくる。私もアナザー・ディメンションの異次元空間からワイン二本取り出して一本を差し出し、グラスを幾つか用意してもう一本をそれに注ぐ。
「サーゼクス殿以外の方も気になっているようですので、この一本は試飲として差し上げますよ。あまり数はありませんし、新しく作るとしても5年近くは作れないので早めに交渉して下さい」
私も私で気になっているパイモン領のワインを開けてみる。コルクを抜いた途端、独特の香りがするということは貴腐ワインか。グラスに注いで口に含む。甘みの中に独特な風味も感じる。貴腐ワインの上に麦わらワインでもあるのか。おそらく魔法を使っているのだろうが、ワイン本来の味には何も触れていないのだろう。中々に分かっている悪魔のようだ。コルクを閉め直し、今度はダンタリオン領のワインを口にする。こちらは正統派の赤ワインでキツい辛みの中に葡萄本来の味わいがしっかりと残っている。最後にガープ領のワインを開けようとした所でイッセーから呼び出しがかかる。仕方ない、これはレーティングゲーム後のお楽しみにしておこう。
「では、呼び出しがかかったのでこれで」
イッセーの召還に答えると同時に聖衣を解除しておく。試合の方は全く見ていないがどうなったことやら。
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