第3章:武器屋トルネコと幼女騎士リューラ
第9話:恋文配達
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れば意味がないだろうが。
「何と!? お前さんはワシの店を買いたいのじゃな?」
「は、はい…お値段次第ですが…」
「うむ…そうじゃなぁ…ワシとしても早く売りたい気持ちでいっぱいじゃ。あまり高値を吹っ掛けるつもりは無い。じゃが、老後の為にある程度の金額はほしい…何より、孫に色々買ってやりたいからのぉ…」
まさか売る気があるとは思ってなかった。
結構真新しい建物で、広く立地条件も良い物件…
しかも家主は吹っ掛ける気がないと言い切る老人。
「……どうじゃ、35000ゴールドで手を打たぬか?」
狐のオイラには金銭の感覚はよく分からない…
でも、今まで交渉してきた連中の中で、一番安値を提示してきたのはこの爺さんだ。
次に安くても、200000ゴールドだったから。
「ぜ、是非私に売ってください! 直ぐにでもお金を用意してきますから…どうか他の人には売らず、私の売って頂きたい!」
今は金が無いのかよ!?
「うむ…じゃが早くしてくれよ。ワシは早く息子夫婦の下に行って隠居したいんじゃから…」
そこまで聞くとトルネコは急いで店を後にし、町を出て何処かに向かおうとする。
何処へ行くんだよ!?
「お、おい…何処へ向かうんだよ!? オイラ達にも説明しろよ…」
「え? …あぁ失礼しました。初めてエンドールに到着した日に、町中で色々と情報を仕入れていた時、エンドールの北にある洞窟に、『銀の女神像』というアイテムがあると聞きました。それをコレクターに売りつければ、かなりの高値で買い取ってくれるらしく、あの店の購入資金に充てたいと考えております」
か〜…事前に金儲け情報は仕入れておいたのかよ。
あんなに目を輝かせやがって…
もうちょっとこっちに気を使えよ!
「ちょっと待てよ…オイラは構わないけども、少しはリューラの事を考えろよ。トルネコと一緒に一日中歩き回ったんだ…今晩は宿屋で休んで、明日の朝から洞窟には赴こうぜ!」
自分の事ばっかり考えてるんじゃねー!
「ありがとう、アロー…でも…私は大丈夫だよ…これくらいで根を上げてたら…お父さんに…笑われちゃう…」
か〜っ! 何と健気で心優しい女なんだ!?
種族の壁とかどうでも良い! オイラ、リューラの為なら何でもするね!
「ありがとうリューラさん。では早速出発しましょう! 他の誰かにあの店を奪われる前に…」
こ、この親父は…
アローペクスSIDE END
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