第四章 空白期編
第八十七話 『夜の一族の告白、すずかの決意』
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歯を突き立ててシホの首筋に噛み付いた。
その光景はなのは達にどう映ったのだろうか?
「んっ…」
「うっ…」
「んっ…はっ…」
「んっ…」
シホの首筋から血が滴れてくる。
それもすずかは名残惜しそうに吸いそれを咀嚼していく。
シホもそれで少し身体が敏感になっているのか何度かうめき声をその口から漏らす。
そして…少し時間が経ち、やっとすずかはシホの首筋から口を離す。
「…ふぅ。おいしかったよ、シホちゃん…」
「はぁ、はぁ………それはよかったわ、すずか」
シホとすずかは二人とも顔を上気させて赤くしている。
それを見ていたなのは達は思わずの光景に絶句していた。なにを話しだせばいいのか分からずただあたふたするだけだった。
それでティッシュで口元を拭ってシホの首筋の血も拭いて上着を着させた後、先に話をしだす。
「私ね…みんなが思っているとおり吸血鬼なんだ」
「吸血鬼…?」
「うん…私の家はね。代々が『夜の一族』っていう種族なの」
「夜の一族…?」
「うん。夜の一族は人間の突然変異から生まれた一族で普通の吸血鬼のように日の光が弱点じゃないの。
そしてそれぞれに特殊な能力を持っているの。私の能力は『氷の魔眼』。見たものを凍り付けにする能力を持っているの。
だけどその力を出すためには血を接種しなければいけないし通常生活でも血は必要不可欠なの」
『………』
なのは達は黙ってすずかの話を聞いている。
これがすずかの大事な話だというのだろう。区切りがいい時まで口は出さないでいる。
「私は…いままで怖かった。この能力が…吸血鬼としての私がばれるのが。
初めてアリサちゃんやなのはちゃんと会ったときもとても臆病で自分から話しだせる勇気がなかった」
それを聞いてアリサは少し後悔する。
あたしはそんな事も全然知らずにただ臆病な子だと思ってすずかをいじめちゃったんだって…。
「この事がばれるきっかけは今までもあったんだ。
なのはちゃんのお兄さん…恭也さんもお姉ちゃんの事を知ってもそれを全部ひっくるめて受け入れて恋人になった」
「お兄ちゃん…」
なのはは兄・恭也が立派な事をしたんだと感動していた。
「そして私のことがばれたのはある時、シホちゃんと帰り途中に夜の一族の事がばれて怖い人達に狙われた時だった。
それでシホちゃんは偶然私の真実を知っちゃって、でも私の事を嫌わずに受け入れてくれた」
「ちなみにすずかを狙った組織は士郎お父さんと恭也兄さん、美由希姉さん、私の四人で壊滅させたわ」
そこで今まで黙っていたシホがその事を伝える。
それになのは達は驚愕の顔をする。
「それでシホちゃんにばれちゃって私はシホちゃんに会わす顔がなくて部屋に閉じこもっちゃった。
でもシホちゃんは
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